クルム伊達(旧姓伊達公子)の不妊を知って考えること
先日NHKもBS放送「ザ。スター」でクルム伊達さんが出演していました。
NHKネットクラブ
https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20110330-12-15745
ゲストを呼んで一通り過去を振り返る類の番組とは、一線を画していてとてもきょうみ深く見ました。
伊達さんが活躍していたころは、私もテニスに興味を持っていたころでした。
クルム伊達オフィシャルサイト
http://ameblo.jp/kimiko-date/
突然25歳でそれもプロとして絶頂の時に、スパッと引退した時は驚きました。
世界ランク4位と言う輝かしい地位、シュテフィ・グラフも破ったことがあり、日本のエースでした。
お金の面から言えば、そのぐらいの地位なら年間億という収入だったでしょう。それを捨てるなど、普通には考えられないことでした。
今回そのことは彼女の心の中には、ごく私的な自然なことであったのが理解できました。
「孤独」という言葉が当時の彼女の心には住んでおり、それから逃れる目的もあったようでした。
昔男子プレーヤーのツアー生活を読んだことがありました。
スウェーデンの選手でした。彼らは早くから選別され、英才教育を施されるのです。
ですから18歳ぐらいでも、すでにテニス歴は10年を超えています。
ツアーに参加できるくらいになると、それは過酷な生活が待っているようです。
毎日毎日朝起きて10キロのランニング、それと練習です。
トーナメントが終了したらマネージャーが付いていないな限り、次のトーナメントの申し込みをしなければなりません。
ホテルを予約して出発して、同じトーナメントに参加する選手といつも食事して、それの繰り返しが続くのです。
ですから外国の男子選手は早くから、ガールフレンドを帯同しているそうです。
緊張と単調な生活それと厳しい争いの中、彼らは消耗し10年ほどで引退するようになります。それがテニスツアーと言うことでした。
さて伊達公子(クルム伊達)さんが結婚し、その後中々子供が出来なかったのはどうしてかなと思っていました。
どうも不妊に苦しんでいたらしいのです。原因は分かりません。不妊治療を行ったと言うことなので、機能的な障害ではなく「妊娠」しなかったということでしょう。
本日は鍼灸医学の面からこの「妊娠しない」ことを考えてみましょう。
競馬の馬を持ち出してすいませんが、昔から男まさりの牝馬は良い子を出さないと言うのが定説です。
血統が良く春先の大きなレース、桜花賞などを取った時点で引退させた馬主もいました。早く繁殖に上げる為です。その方が良い子供を産むと考えられていたのです。
女子スポーツ選手の多くは生理が無いと聞きました。
女子高生でマラソンランナーなどは、かなり過酷なのでそのような例は多いようです。
これはスポーツをすることですべてのエネルギー栄養が、消費されてしまうからと考えられます。
ではクルム伊達選手が引退したのち、何年もたってそれでも妊娠できなかったのはなぜか。
私が治療した患者さんから考えてみると、それは血流障害(東洋医学的にはお血)と考えられます。
血流障害イコール冷えとも表現できます。
スポーツ選手がと思うでしょうが、人間の身体は複雑で緻密にでき上がっています。
漢方薬を3年も処方されていた女子高生が見えたことがあります。オーリングテストで血流を計測したところ、酷い値でした。
いつも生理痛で苦しんでいたそうです。漢方薬でも効果が出なかったのです。
我田引水ではないのですが、高麗手指鍼は手のひらに鍼を刺すことで、脳に大きな刺激を与えることができます。それで大きな効果を引き出せるのです。
それでかなりの方は、10回ほどの治療のうちに血流は正常に戻ります。
精子と卵子が何回もであったとしても、それが育つ部屋の環境が良くなければ大きくはなっていきません。
日本では昭和の30から40年代ごろまでは、まだお灸が盛んでした。家庭でも民間療法として、ごく自然に行われていました。
しかし高度成長期以後は、皮膚に痕が残ったり熱かったりで、今ではすっかり忘れ去られようとしています。ところがこのお灸が不妊には効果を上げていたようなのです。
ただいまとなってはこれが再復活することは無いでしょう。
現代医学では血流障害の改善は出来ません。むしろ民間療法の身体を温める方法が効果を上げるかもしれません。
高麗手指鍼は効果がありますが、少々痛みが伴います。
それがいやなら効果は少ないかもしれませんが、手のひらにする温灸が効果があるでしょう。
クルム伊達さんもまだ41歳。
東洋医学の鍼をテニス試合のあとに取り入れているのですから、ちょっと視野を広げて東洋医学まで見たらどうかなと思った次第でした。