リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

関節リウマチを起こす免疫の場所

人間が進化する過程で備えてきた免疫システムは、自然免疫 獲得免疫と分けられています。

 

明治大正時代に活躍された澤田健 師はお灸と整体で関節リウマチを治していた先生でした。代田文誌著「鍼灸真髄」の関節リウマチ治療で、「リウマチは小腸が熱を持ったものです」という言葉は余りにも有名です。

しかしその治療方法はどのようなものであったか、未だ詳細は分かっていません。

 

ツボが載っているので小腸兪に灸を据えたが、それで関節リウマチを治したという事は聞いたことがありません。

 

根本の原因治療はまだしも、症状を起こしている免疫異常の調整法はできています。劇的に改善しているわけではありませんが、治療の成果は出ています。

 

鍼灸の治療法では骨の病気と言うことで、腎臓の経絡を調整することが中心でした。しかし鍼灸治療のみで治癒したとの症例は目にしたことがありません。鍼治療と灸治療の併用か灸治療のみの症例は残っています。

 

しかし現在は関節リウマチが起きる原因は免疫の異常にあることが分かっています。

 

免疫の異常を診断する方法は、自然免疫は経絡の異常を調べることで、獲得免疫は大村博士の研究で解明された獲得免疫のネットワークを調べることで分かります。

 

ここで疑問が湧きました。

 

脳の免疫を維持する脳脊髄液は関係ないのだろうかと思っていました。そこで「手のひら先生の高麗手指鍼療法」で発見した、脳の免疫を司っている脈絡叢のツボの診断を行いました。

その結果通常の3倍ほどツボの力が低下していました。鍼で言う補であり鍼を刺すなら3本刺さねばなりません。

脳の免疫は脳血液関門によって守られているはずです。自然免疫 獲得免疫の調整が行われたのちでも状況が変化しなかったことは、そこに別の仕組みが働いているかも知れません。

さらに免疫システムが異常になる前の段階があると考えます。そこが内臓特に腸になるのではないでしょうか。

澤田健師は東洋医学的に考え出した推論でしたが、腸の異常が関節リウマチの原因であるというのは現代医学が導き出した推論です。

「脳腸トレード」の言葉で代表されるように、今や脳と腸は密接な関連があると知られてきました。

病気とも関連していることが知られはじめ、うつ病や感情の起伏などは脳と腸の関連と結び付けられて考えられています。

関節リウマチの症状改善には、まず免疫システムを正常にすることです。この脳の免疫が正常になることで、諸症状が改善すればまた一つ山を越えたことになります。

その先は根本原因となる腸の改善です。

免疫システムの治療の効果は実証済みですが、腸の治療は行ったことがなかったので、これからの症例を重ねて報告いたします。