坐骨神経痛を治す
坐骨神経痛を発症すると相当苦しむことになります。
高齢化社会になると骨粗鬆症を伴う坐骨神経痛、これを脊柱管狭窄症と呼びます。
歩くことが困難になります。10メートルから30メートルぐらい歩けるが、そこで痛みに耐えかねてしゃがみこんでしまう。
しばらく痛みに耐えていると楽になりまた歩行が可能になります。
同じことの繰り返しで目的地までは大変な思いをすることになります。
鍼灸学生の頃坐骨神経痛なんて簡単に治せるもので、治せてもえばれるほどのことは無いと考えていました。
しかし社会にでてみるとこれが意外と治せていない疾患であることが分かりました。
腰痛肩こりなどは鍼灸の独壇場と思っていたのが、意外と違っていたと思い直しました。
特にその中でもこれを治すことは難しく、中には治療家を探しまくって関東一円足を運んだ患者さんもいました。
高齢になれば骨自体がもろくなっているので、手術が難しい場合があります。
内視鏡による手術もあるようですが、手術が成功しても後遺症に悩む方も多いようです。
ある患者さんは探しまくった挙句やっと福島県に腕のいい治療家を見つけたそうです。
確かに効果はあったものの、新幹線でなんども通うことができなく諦めたそうです。
当治療院では脊柱管狭窄症は週2回3ケ月でほぼ完治を目標にしています。
この方も3ケ月でほぼ日常生活に支障が無くなるまで回復しました。
この治療の困難さと不思議さは、途中まで殆ど治療効果が現れないことです。
患者は毎回毎回痛い痛いと言うので、その間は慰めがメインの治療になります。
ところが3ケ月をすぎるとがらっと痛みが無くなり、患者さんの顔がほころぶのです。
今回も70代の女性でしたが、痛みが取れみんなに背が伸びたねと言われるしと言って、ニコニコされていました。
ほんの先週までは痛い痛い、まだ寝返りが打てないと言っていたばかりなのですが。
「痛み」の本質はまだ解明されていいません。
医学的にもまだ解明されていません。
そもそも手のひらに鍼を指すことで腰や足の痛みが取れることが謎です。
これを解説することは簡単です。
「痛みの理論」としてはマイナーな理論ですが、痛みは血流障害によって起きる現象である、ということです。
すなわち手のひらに鍼を的確に刺すことで脳血流改善を図り、ひいては脳がコントロールしている身体の異常を調整することが痛みが取っていくと考えられるのです。
鍼治療も今や脳を理解出来ないと治療を適確に行えない、次世代に生き残って行くためにはその領域に東洋医学から踏み込んでいかないとならない。
柳谷素霊らが始めた近代的な鍼灸、それは経絡治療と言われる言葉に代表される治療法ですが、いまそれらは現代のニーズに対応できていない。
これを乗り越え新しい鍼灸の道を開く可能性を、高麗手指鍼は秘めていると思うのです。
腰痛一つを考えるにも脳を意識して治療する鍼灸は今まで歴史上では皆無であったからである。