リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

 近藤誠医師の「がん」論文で思うこと 1

今慶応大学」医学部講師 近藤誠さんの著書「あなたの癌は、がんもどき」 梧桐書院刊 が波紋を呼んでいます。

文芸春秋1月号で「抗がん剤は効かない」 2月号では立花隆氏との対談「抗がん剤は効かないのか」の特集が組まれました。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/

そのほか週刊文春1月20日号「抗がん剤は効かない」は本当か? 
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/

週刊現代1月29日号「抗がん剤治療は本当にダメなのか」と様々なところで、抗がん剤治療について論争が始まっています。
http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/

これは喜ばしいことではないでしょうか。

アメリカでは10年ほど前NIHで、それまでの10年間のがん治療の検証をしたそうです。

その結果切除手術以外は何ら進歩はなかったと言う結論でした。国内では大騒ぎになったそうです。日本にはほとんど伝わってきませんでしたが。

最近アメリカでがんの死亡率が低下したのは、このことがあってから検診率が上がって、早期に手術が行われるようになったからだと言われています。

抗がん剤のが進歩して、その成果が上がったと言うことではなさそうです。

さて私が近藤医師を知ったのは、みなさんと同じで「フジテレビアナウンサー逸見正孝氏のがん治療」に関する、週刊文春の一連の論文からではないでしょうか。

逸見さんがスキルス性の悪性胃がんを記者会見で発表したのち、2度目の手術を行いほどなく亡くなってしまったのです。

井上胃腸科病院でしたか、そこで手術を受け転移した内臓部分を3キロでしたか切除したそうです。

そのことに対し近藤医師は「もし切除しなかったら、逸見さんはもう3カ月は長生きできたはず」と断じたのでした。当時は大きな話題でした。

しかしそれまで医師が行った手術に対し、公開の場で論争をしたことなどなかったので、本当に驚きました。白い巨塔の言葉があるように、閉鎖した社会でたの医師の技術に批判をするなど、一般には考えられもしなかったからです。

近藤医師を尊敬するのは、現役の医師でそのような批判をすれば、自分の生活基盤が揺らぐかもしれないにもかかわらず、敢えてご自身の信念を貫かれたからです。

数年前やはり医師が病院の医療体制告発本を出しました。しかし彼はすでに年金を貰う身分であり、もし現役時代の自らのミスを明らかにしても、今の生活には何ら影響が無いのです。そのような医師の告発など何ら価値を認めません。

同じようにイメージが重なるのが、故高橋晄正元東京大学講師のことです。

確かグロンサンアリナミンは効かないとか、様々なものを批判してましたね。

私の関係する東洋医学では、漢方薬を批判して嫌われていました。

それまで漢方薬を飲むと、かゆみやめまいなど瞑眩(メンゲン)が出ることがありました。それはややもすると良いことのように言われていましたが、高橋さんが統計処理をするとそれは副作用だと分析できたのです。

相当な反論があったようですが、今ではそれが正論となっています。

しかし私が思うのに、敢えて嫌われるようなことを信念を持って行ったせいか、彼も東大教授にはなれなかったのではないでしょうか。

相当な覚悟がいると思うにつけ、わが身を振り返れば「出来ないなー」と思うのです。

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