リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

[がん]週刊ポスト 「がんに強い病院」ランキング

週刊ポスト8月12日号で、国立がん研究センターが「がん診療連携拠点病院、院内がん登録2008年全国集計、報告書」を掲載しています。
http://www.zassi.net/mag_index.php?id=51

「日本人にとって、がんほど身近で、かつ恐ろしいびょうきはないだろう。日本人の死因の第1位であり、実に2人に1人が発症し、3人に1人がなくなっているのだ。ただし、医療技術の進歩により、早期に発見でき、かつ適切な治療が受けられれば、がんを克服することも可能になっている。そのために重要なのが病院選びである」

と冒頭に記されている。

おいおい昨年から今年にかけて「抗がん剤は効かない」がセンセーショナルに取り上げられ、問題を提起したのを忘れてしまったのだろうか。

東北大震災があったので、その論争を取り上げた週刊ポストも、もう忘れてしまったのだろうか。

抗がん剤は効かない 近藤誠著 文藝春秋社刊
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163741307

この中で指摘されていたように、一部のがんはすでに克服されているが、まだ多くのがんについては不明な所が多いというものだったはずです。

昔来られた患者さんがおっしゃっていました。「先生近くにどんながん患者も受けいれてくれる、良い病院があります。しかし奥さんたちはあの病院に入るとみんな死んじゃう。と言っているんですよ」

また近藤医師の本には、末期に近い患者を見つけ母校の大学病院経紹介すると怒られる。生存率が下がるからである。また入院を頼むとベットが一杯と言って拒否される。3ヶ月もすれば死んでしまうから。

このがん診療連携拠点病院においては、もはやこのようなことも無くなっているようで、そのことが改善されて来たのは喜ばしい事ではないでしょうか。

以前文春で冨家医師が病院を評価したことがありましたが、これは設備や案内などを評価したものではありませんでした。

今回の統計でも治療実績を評価したものではないのでその可否は疑問ですが、閉鎖されてきた日本の病院の内容の情報開示のまずは一歩になるのでしょうか。

NHK がかつてアメリカの病院ランキングを元に取材したとき、やはり医師たちが不平を述べていたことがあります。

言い分はこうです「私の病院ではどのような患者さんでも別け隔てなく受け入れて治療を行っている。それで治癒率が悪くなっているんだ。中身を精査してくれ。」

私は癌にならないように自分で免疫を調整しているし、もしなったとしても治療できるので、この統計は他人事のように厳しく見ています。

近藤医師も認めているように、血液のがんは克服しているようです。

しかしその他のがんについて、早期発見が完治に結びついているか否か、これについては問題があるのだとおっしゃっています。

とするとステージ?から?ぐらいの転移がないものについて、果たして切除などは必要かと思うのです。

とうはいえアメリカではがん治療に有効なのは切除だけと評価されているそうです。

この切除がどの段階なら有効なのかその議論もまだ終わっていないのでは?

一般の人がこのことを理解できないでしょう。

「がん治療の第一歩は、早期発見に尽きる。部位にもよるが、大腸がんや胃がんなどは発見が早ければ予後も良好で、難治性のがんでも早く治療を始めるほうが進行は遅らせることができる」とまとめられています。

なにかお医者さんが言っているようで、記者の言葉ではないなあ?

記者がそんなこと断定的に言っちゃって、本当にいいのかな?

最後には「今回公表されたデータには5年生存率という重要な指標がなく、まだ不十分ではあるのは事実だが、生の指標から読み取れる情報は実に多い」

まとめ矛盾してない?

私たちが最も必要とし知りたいのは、どの病院の治癒率が高いかということだけなはず。

それに「〜がんに強い病院」とランク付けしているが、受入患者数の多寡での順位であって、規模によっても収容者数が異なるわけで、これが即成績優秀と取られかねない表現はどうなのだろうか。

これからのレポートを注意してみようと思います。