近藤誠医師の「がん論文」で思うこと その11
文芸春秋の3月特別号に小澤昭一さんの一文が寄せられています。題は「癌」です。
友人の故・江国滋氏が癌を宣告された後、相当悩んだ姿に同情されたとの一文です。
ご自身も十数年前に「前立腺癌」を宣告されたが、いまだ何も治療しないで元気だ。と言うことです。
同号に近藤誠医師の「私がすすめるがん治療」副題「抗がん剤が効かないなら、患者・家族はどうしたらいいだろう」が掲載されました。
同誌が意図したか否かは分かりませんが、論文との対比で読めば象徴的に感じられるのではないでしょうか。
また昨日3月8日のニュースで、俳優入川保則氏が末期がんで余命半年との発表がありました。
このことも併せて読めば、論文の理解もより深まるのではないかと考える次第です。
入川保則、直腸がんで「余命半年」公表…71歳、すでに密葬手配 Yahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110308-00000277-sph-ent
近藤誠医師の「抗がん剤は効かない」論文と著書「あなたの癌はがんもどき」梧桐書院刊をベースに、いかに我々は西洋医学的にがん治療を考えたらよいかを見て行きます。
「抗がん剤は効かない」文芸春秋3月号
http://www.bunshun.co.jp/
「あなたの癌はがんもどき」
http://www.gotoshoin.com/cat33/post-136.html
がんと言う病気が西洋医学的には解明できていない現在、今確実に出来ること分かっていることを直視していかないと、我々の命に取り返しのつかない後悔が生まれる。そう一連の論文は訴えていると思いました。
論文と本を読んでも、医療関係者でないと中々理解は難しいと思いました。
そこで私が考えたのは、今はがんになってない人とがんが発見された人とに分けて考えることです。その方が近藤医師の論文を、より早く理解しやすいと思います。
そこで私が読み取ったがんに対する考え方です。
がんが発見されていない方は、症状が出るまで検査を受けないことです。
早期発見早期手術が必ずしも自分の為にならない。それは自然に治ってしまう物が多くある。いわゆる「がんもどき」が多いそうなのです。
早期発見早期手術し抗がんを投与することで、副作用で死ぬことがあるからです。また抗がん剤は延命効果が無いそうです。
症状が出て癌が発見された時、どのようにするか。
まず慌てないと言うことです。がんでは突然死が無いそうです。
まずそのがんが転移している「本物の癌」か、それとも転移していないものかを判断することが重要だそうです。もっとも初期の場合は転移をしているか否かの判断は難しいでしょうが。
上記に紹介したお二人の場合は、転移しないがんもどきと転移した本物のがんです。
それぞれ覚悟を決められた「潔い志を持たれている方です」
近藤医師も論文の中に「結局、よき人生を全うするためには、ある種の諦観が必要だと、つくづく思います。」
昔聞いたことですが、がむしゃらに働いてきたらがんを発症した。余命1年と宣告された。
それならと会社を子供に譲って旅に出た。人生の重荷をすべて払い、自由に余生を暮らそうと考えた結果、がんは消えていた。このような例はごくまれな例かもしれない。
しかしがん患者にはそのような例もあることは確かでしょう。
ではがんになったらすべて諦めなければならないのか。西洋医学は頼りにならないのか?
近藤医師は現時点で治せるがんを詳細に解説しています。そこが我々にとっては細かすぎて、混乱してしまいます。
極端な話、今そのがんに罹っている方が読むほうが為になります。西洋医学でいま出来ることとしない方が良いこと、これが理解できます。
もちろん治せるがんも上げられており、白血病や悪性リンパ腫、睾丸のがん、子宮じゅう毛がんとうは抗がん剤で対処出来るそうです。
ただその他の癌については、個々の場合について詳細に読みこんんで行かないとなりません。