無資格マッサージで骨折 平成7年度以降825件の相談
国民生活センターには、マッサージなどで骨折の被害が出ていると、警鐘を鳴らしています。
センターによると、マッサージや整体など器具を使わない施術による被害相談は、07年度以降825件寄せられ、あばらの骨折や神経の損傷などで長期の治療が必要なケースもあるという。
このうち4割が国家資格の無い、整体やカイロプラクティックでの障害だということです。
重い障害もあるようで、昔からそのようなことを聞いたという患者さんがいました。
鍼灸学校では先生方が、注意深く丁寧に教えてくれる上に、常にこのようなことをすると危ないことがおきると教えてくれます。
まず患者さんの安全が第一です。次に施術の効果が重要なので、工事現場などの安全標語と同じです。
しかし仰っていたのですが、卒業と同時に1000人生徒が卒業をすると、1000人のあんまのやり方になってしまうそうなのです。
ですから基本は常に抑えておかなければなら無い基本事項なのです。
むかしわが師井上先生の「小守マッサージ療院」と、従業員が派遣されているサウナに行ってみました。
血圧が高い旨を伝えると、基本どおりに手足の先から揉み始めました。「さすが」と思いました。
ところが年齢がいってくると、人に触られたくなるものなのです。
サウナに入った後指圧を何人も受けましたが、手足の先から揉み出すところはどこも有りませんでした。
いわんや「何か障害はありますか」という質問は皆無でした。「何かお困りの部分はありますか?」と質問するところは、いくつかはありましたが。
あるとき床屋でこんな話がありました。
血圧が高いお客さんが「これからマッサージに行くんだといっていて、しばらくすると救急車が着たんです。マッサージ中に脳溢血になったそうですよ」
これなんぞいきなり背中の指圧を型どおり行った結果です。
学校で生徒が質問しました。「先生どのくらいの圧力で押したら良いんでしょうか」
答えは「馬鹿やろー!自分で考えろ」です。「でかい患者、太っている患者、やせている患者、年寄り、それぞれ皆な違うんだから、考えて押すんだ。」
わが母校東洋鍼灸専門学校の教えはこのようなものですが、実はこれが正しい答えなのです。患者に聞かなくても考えながら経験を積めば、適切な押圧が分かるのです。
ところがどうやらこれは他の学校ではこのような教えではなく、体重計を手元に置き常に3キロ、5キロと指定された感覚を磨くそうなのです。
それでは事故はおきて必然です。
無資格者以外の事故は、今報告から見れば6割あることになります。
その意味はとても重要なことになります。
職業選択の自由という判決が利いていて、問題が無ければ何でもありのこの世界なのです。
しかしこのような統計が出たい以上は、原則無資格者の排除はより厳しいものとなるでしょう。
また資格者でもこのような体たらくでは、資格そのものの存続が危ぶまれます。
ヨーロッパなどではマッサージに資格というのは無いようなのです。それは日本で行われているような、指圧や強く押すなどの強擦と言われる手技が無く、ほとんどが弱いマッサージだからです。
首をゴキと捻るなどは、整体師などが良くやるようですが、これも事故が多いと聞きました。
カイロプラクティックを行う人は、カイロプラクターと呼びますが、アメリカの専門大学を卒業した人も多くなってきたようですが、整体を名乗っていた人がこの名前のほうが響きが良いと、変えたと聞いたこともあります。
法整備をしっかりしないと、被害を受けるのは消費者だけということになります。被害を受けても無資格者の施術では、なんの補償も受けられません。
むかしからの問題の先送りもここにありますね。