リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

無残!骨折マッサージ 上 

 サンデー毎日10月7日増大号 被害報告 5年で800件超

外山斎(いつき)参議院議員がこの3月に、参議院議員会館内の「てもみん」でマッサージを受けたところ、肋骨にヒビがが入り全治1ヶ月の怪我をしたそうです。

先日消費者センターが発表した、マッサージなどの被害の続報です。

かれはまだ36歳、ブログ8月3日でこのことを書かれていますが、写真を見る限りしっかりとした体なので、相当な力を加えて押したのでしょう。

以前はベテランの女性が施術を行っていたのが、新しくなった議員会館には(株)グローバルスポーツ医学研究所が経営する「てもみん」が入所したそうです。

そこで起こった事故で、今までなんとなく野放しになっていた「マッサージなどの諸問題」を、国会で取り上げるようなのです。

でもこの問題はあまりにも多くのことが、複雑に入り組んでいて解決はとても難しいのです。

まず一番のネックは、明治時代に大審院判決(いまの最高裁判所判決)で「職業選択の自由」が認められたことです。

これはこれで良いことなのですが、そのため「あんま、マッサージ、指圧」という看板を上げなければ、同様のマッサージを生業としても認めらるのです。

その資格取得者はその法律の規制を受けて営業を行っています。

広告の制限というのがあり、料金や何々流などの表現、効果などを謳うことはできません。

新聞チラシなどに入ってくる、なんとか整体などはやりたい放題で、気功整体マッサージでなんでも治ると表現しています。

しかし消費者センターに寄せられた苦情のうち、6割が資格所有者の起こした事故というのも問題です。

これは聞いた話、昔視覚障害者は「あんま」などの仕事しかなく、ついても所得が少なく食べられなかった。

そこで盲学校の校長が考えたのが「初診の患者には強く揉め。そうすると翌日はりかえしが起こり2回施術代が取れるから。」というものでした。

温泉などでマッサージを頼むと、足をやたらと強く揉まれたことがないですか。

翌日前脛骨筋が痛く、歩くのに難儀したことありませんか?あれがその名残です。

指圧の力のかけ方、押し方を教える方法も問題があると思われます。

すなわち授業内で多くの患者にマッサージを施し、その中で技や事故回避の方法を学ぶことができないからです。

デブも痩せも、老人も若者も、体の強そうなものもひ弱そうな体も、同じような手技力を加えることはできないはずです。

でもそれが授業内で学ぶことは不可能なのです。

外国の医療類似行為、例えばカイロプラクティックなどは、アメリカでは専門大学を卒業しなくてはなりません。

しかし日本では無資格の行為になってしまいます。

なおかつ卒業もしなくても、カイロプラクティックと看板を上げても、それは違反ではありません。

そもそもヨーロッパではマッサージ師という資格はないそうです。

それは日本のように、強く押す、強くさするというような手技がないので、事故は起きないということです。

日本人にも責任はあります。

よく患者さんには言っているのですが「元祖中国はラーメン程度にしておいてください。漢方薬鍼灸あんまは日本人に合うように、日本国内で発展してきているのです」

自分の体を大事に思えば思うほど、治療を受けるときは慎重にならなければなりません。

今度の件を通して、国民の議論の対象となることは、それも国会内で議論されることは良いことです。

そして良いものが生き残れるようにして欲しいものです。