長生きしたければ、がん検診は受けるな
週刊現代2月18日号
岡田正彦・新潟大学医学部教授が、様々な健康診断・検診の危うさを警告しています。
特に「がんの見落とし」裁判の急増に対し、逆に発見されて寿命を縮める危険性を警告しています。
思い起こせば昨年の今頃は近藤誠医師の著書「あなたの癌は、がんもどき」が話題になっていました。
出版後のフォローで文藝春秋で連載が始まり、追随するように週刊文春や週間ポスト、週間現代で、この問題が取り上げられていました。
東日本大震災ですっかりこの話題が遠ざかっていました。
現役の大学医学部教授がこのような報告をすることは、反響は少なくないと思われます。
退職して年金生活に入ったヨレヨレの教授が、あの時はこうだった危険な医療だったなど語るのは、嘘くさくって聞けたものじゃありません。
現役の教授が非難や同業者の誹謗中傷の困難を考えても、職を賭して警告を発するのは信頼するに十分な記事です。
今までの常識がかなり崩されることになります。
1、人間ドックがあるのは日本だけ。治療が敢えて必要でない病気も見つけ、過剰医療につながり体にダメージを与える。
2、医療用レントゲン検査によりがんが発症する。日本の肺がんの3〜4%になる。胃がん検査はそれより危険性がます。
3、(近藤誠医師も言っていますが)世界の疫学調査でもがんには大きくならないものが相当数ある。タチの悪いがんは進行が早い、早期発見しても手遅れになることが多い。
4、胃がんの死亡者数が減っているのは、塩分摂取量が減っていることによる。
5、糖尿病検査のブドウ糖負荷試験は、糖尿病体質の人にとっては病気を誘発しかねない。
6、脳動脈瘤の手術は死亡率・麻痺発症率を格段に高めてしまう。
へー!健診に対する我々の常識だったものが一変してしまいます。
30年前人間ドックを受けたとき、確かにブドウ糖負荷試験は異常な感じがした思い出があります。甘すぎて辟易しました。本誌にもこれはコーヒー用スティックシュガー15本分に相当するとのことです。
確かに異常な試験ですね。
最後のまとめとしてこのように書かれています。
「検診に大金を費やすより、予防に力を入れるほうが、国民の健康維持にとってはるかに有効だと私は思います。がんも、8割方予防できると考えられます。遺伝によって起こるがんは全体の5%程だけで、残りの80%は原因が分かってきましたから」
「がん」に対する考え方は近藤誠医師と同じであり、改めて私たちが「がん」治療や対策について考えるきっかけを与えてくれる意見です。
ところでがん以外の健診についても問題がありそうだとつくづく考えさせられます。
レントゲン・CTとMRIの違いについて、我々自身が賢くなって原理を知らないと、身に危険が及ぶかもしれないと言うことでしょうか。