治癒肝炎新薬で劇症化
9月8日読売新聞1面で「リウマチ・がん治療薬「B型」18人死亡」と大見出しが踊った。
要旨は「いったん完治したと考えられていたB型肝炎が、リウマチや血液がんなどの治療薬で体の免疫が低下したことをきっかけに再発し、劇症肝炎をおこして死亡する例もあることが構成っ労働省研究班(研究代表者・持田智埼玉医大教授)などのちょうさでわかった。」となります。
リウマチでは2003年より生物製剤と呼ばれる新薬が使われるようになった。
この薬と既存の免疫抑制剤を併用することで従来には得られなかった、目覚しい治療効果が得られることが分かり一気に広まって行った。
また既存の免疫抑制剤もより多く使うようにもなっていたようです。
この薬は強い免疫抑制作用があるので、その危険性は早くから指摘されていた。
また副作用もあり問題であった。
そもそもリウマチの反応は自己免疫の乱れを治す過程に起こるものである、と指摘する新潟大学安保徹教授のような考え方もあるがそれは少数に過ぎない。
リウマチの痛みや様々なつらい症状は、従来の免疫抑制剤や抗炎症薬のステロイドでは対処出来ませんでした。
それが生物製剤と言う新薬の出現が様相を一変しました。
しかし人間に備わった免疫をゼロにすると言う発想は当初から多くの疑問があり、今回はからずもそれが現実のこととなりました。
この数年騒がれている鳥インフルエンザをとっても、健康な免疫を持っている者でさえその感染力には太刀打ち出来ないでいます。
ウィルスを早くの段階で検知し抗ウィルス薬を処方すれば、劇症化は防げるようですがその検査体制はまだ不備があるようです。