リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

保険と鍼灸4

今日はホームページ「手のひら先生のリウマチ相談室」を運営している、手のひら先生こと長谷川和正です。「リウマチ相談室ブログ」として、高麗手指鍼治療にまつわるお話をいたします。
保険を鍼灸で扱うのは是か非か。国民皆保険である限り、鍼灸も国家資格として認められている医療なのであるから、希望するものがいる限り保険適用も当然と考えられるべきである。しかし支払う方からは、巨大な赤字を抱えている健康保険に、自由に扱えるようになったらどうなるか、大きな危惧があることは否めない。
これを打開する方法としてどのようなことが考えられるか。もっともドラスティックな変革で確実なのは、すべての医療を保険対象とし、成果主義成功報酬型に支払いをかえる。これが一番だと思う。治るか治らない分からない、効果があるかないか分からない薬や治療を白日の下に引き出すのは、これがもっとも効果的な方法ではないだろうか。
昔レセプトなるものを見たことがある。びっくりしてしまいました。そこには夥しい病名または病気の疑いが記載されていました。その病気にすべてかかっているなら、この患者はすでに死んでいるはずです。まず病名を付け、それにしたがって診察検査そして治療を行う。それで病院を維持するにはそのようにしなければやっていけない、そのような医療制度であるのが一目瞭然でした。
以前読んだ本で、薬を医者に届けるプロパーたちの覆面座談会を読みました。印象に残っているのは、がん治療薬で「サルの腰掛」が入っていたことがある。それが当時500億円ほど売り上げた。なぜかというと副作用がないからであった。決して効果があったからではない。ほかの抗癌剤は副作用がきつく、患者が苦しむのを見て医師が効果はないと分かっていても、副作用のないこの薬を選んだのが理由だった。その後これは抗癌作用がないということで、保険適用から除外された。そのようなことが述べられていました。
外資が入ってきて薬の治験なども外国で行われるなど、傍目には公正さがあるかなとは思うが、過去の薬など今一度精査するのが良いのではないでしょうか。根本治療的なものと対症療法的なものの区別で、点数の付け方なども変わってくるのではないでしょうか。
最近リュウマチ科がなくなるとして騒がれていますが、部外者の戯言かも知れないが、治せない治療科目を設けることは、この病気をしっかりと見つめることの機会を失うことにもなる。膠原病のなかに入るリュウマチだけを抜き出したことが、どこにそのメリットがあったのか疑問である。いまその見直しがなされたと言うことなのではないでしょうか。リウマチの名の下に、ステロイド剤の乱用は控えるべきだと思います。
坐骨神経痛や頚椎ヘルニヤに牽引は効果的か?それは逆の効果しかないでしょう?それが保険対象ですか?
家で出来ること。牽引などぶら下がり健康器にぶら下がっているばいいのじゃない。赤外線で温めるなんて、自分で買ってやればいいじゃない。保険の対象なの?自分で出来ることは自分でやる、そういう意識を今一度日本国民のコンセンサスを問う。それが今必要なことであると思う。
あん摩やマッサージ指圧、これで病気を治せと言っても、それは酷な話です。しかし今日の社会環境からすれば、様々なストレス社会にあって、これらの手技は一部の人たちには十分な効果を発揮するものと考えます。しかし慰安という考え方があり、それは個人の負担で行うべきと言う考えが一方である。これを区別することは事実上無理であるので、支払い負担率で調整することにしたらどうであろうか。支払い単価をあげその代わりサービス受容者は、5割負担する。もっとも鍼灸マッサージで1回に受け取る保険診療費は、千円程度であることを言っておきます。5分で1万円稼ぐのと、1時間程度かかって5千円、おかしいと思いますよね。確かに先行投資額、勉強のハードさ、個人の努力、資格取得後の努力や大変さ、それらがこの中に反映されている?それにしてはその差が大きすぎるのではないでしょうか。
医師の診療報酬は新人もベテランも同じ点数だそうです。なり手がなくそして日本国として大切な日本の礎と言ってもいい、産婦人科医が少ない。医療行政の怠慢と言えるが、これなど資本主義の常道、需要と供給原理から他の科目の倍以上の報酬が得られるようにすれば良いのである。地方の医療過疎があるなら、地方での医療点数を倍にすればよいのである。地方でも医療が充実して行える、そのようにすれば問題は簡単に解決する。
交通事故の後遺症があったときの治療は、健康保険外になり保険会社と治療者との支払いになるので、一度内容を聞いたが酷かった思いが有ります。私のところにこのような患者さんが来たことが有りますが、たった5回ほどで治ってしまいました。でも多くのところでは、その治す技術もないし治さないので、請求額は相当高額になるようです。保険会社も検討するだけの資料がないから、なすがままに支払いを受け付けるのでしょう。
これから総合治療という考え方が広まっていくだろう。保険外の高い治療薬を使うだけではなく、西洋医と東洋医が併用される場合が来るはずである。なぜなら保険外の治療費に対して、必ず民間保険が絡んでくるからである。とするとアメリカやイギリスもそうだったと思うが、治療内容に必ず保険会社の監査人が入ってくる。そうすると効果のない治療薬は淘汰されてくる。効果のない治療技術も淘汰されてしまう。先程の交通事故後遺症のような事例など、厳しくされてしまうことが考えられます。
そのような時に鍼灸がその期待に十分答えらるだけの力を蓄え、ある分野については西洋医学にとって変われるだけの結果を残せるよう、これからも研究努力は必要なことと考えます。またそれこそ「何が代替医療なのか。当初から東洋医学は正当な医学である。」そういえる時代が今そこに来ている。そのようなことが期待できる状況が訪れることでしょう。

「手のひら先生のリウマチ相談室」http://www.d2.dion.ne.jp/~kouraiha/