リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

鍼灸師と整骨院 3


鍼灸師の場合、保険診療を取り扱うのはとても難しい状況にあります。保険診療が認められている中にリウマチもあります。しかしその中身はリウマチの痛みを和らげると言うことであり、完治を目指すものではないからです。保険診療費は大体1000円です。じっくり1時間程度時間をかけ、経験と努力の末獲得した技術評価を、アルバイト程度の対価とする治療家はいません。さらに保険診療とするためには、医師の「同意書」が必要です。これは鍼灸師が医師の下にあると言うことを意味するほか、鍼灸を国家の医療に組み込まないようにする防護壁なのです。一時圧力で認められた整骨院保険診療が、何らかの圧力(ほとんどの治療家は気が付いているはずです)があって、いまなし崩しにされている現状を見ても明らかです。
鍼灸を専門に行なっている治療家は、以前からこのような荒波を予測しても、覚悟して船出してきているのです。
私が学生の時、先生方はよく仰っていました。「昔医師会長だった、武見会長は私たちに向かって、君たちの治療は保険診療には向かない。自由診療でやっていきなさい。保険診療だと堕落するよ」今様々な状況を見るに付け卓見だと思います。
しかし医師の側も保険診療面で言えば、岐路に立たされている。日本の未来の医療へのビジョンがないため、医師の数、施設面、医師の教育様々なでほころびを見せている。これは単に保険収入面から逆算して行なう、役人の机上の計算からではないのか。あるセミナーで聞いたのは「日本人が必要とするビタミンC必要量は、どのようにして決められたのか分かるか?外国人の2分の1とされているのだ。おかしくないか?」「これは日本で取れる果物のビタミンCの量を、人口で割って算出された数字なのだ。役人の作文だ。」そうです。
私たちの置かれている環境は厳しいものがあります。このような中で生き残っていくためには、個人個人が確実に信頼を得られるような技術を獲得して行くことでしか打開は出来ないと考えます。まずそこが原点であり、その上で国民にとっての保険診療は如何にあるべきかを考える。それが大事なことです。