リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

古典と鍼灸 その1

 鍼灸黄帝内経をもとにして発展してきました。

従って治療体系はこれに則って組まれています。

現代医学からの批判にさらされるのが、科学的でないということです。

しかし科学というもがすべて西洋哲学的な考え方で切られるものではありえません。

度重なる思考と観察に裏打ちされた、東洋医学も経験医学として十分な科学でありえます。

だが現代の医学生理学に太刀打ちできない分野があります。

それが解剖学であり生理学の分野です。

何しろ二千年三千年と言われる鍼灸の歴史の中で、行われた解剖は現代医学から見れば単純で間違いのおおいものでした。

掲載した図は、張介賓が表した類経図翼の中の解剖図です。

私の持っている和綴じの図翼は、江戸時代に版木で印刷されたものですが、それでも先達の探究心には敬服します。

解剖図としては現代医学からは比べるもないですが、その機能働きの理解は現代医学にも劣らないものでした。

肺が呼吸をし人間の生命維持に重要であるという認識は、まだ100年足らずと聞いています。

しかし古代中国人は二千年以上前に既にその働き機能を理解していたのです。

もちろんその他の臓器にしてもしかりです。

何故そのようなことがわかったのか、未だなぞの世界です。

鋭い洞察力と観察力の賜物としか言えません。