前ドラゴンズヘッドコーチ森繁和著 「参謀」を読む その2
前ドラゴンズ落合博満監督は何を考え、何をやろうとしているのか?
それを考えながら、前ヘッドコーチ森繁和著「参謀」を読みました。
読む限り彼はひたすら監督に使える竹中半兵衛に間違いない。
目次を見ればよくわかります。
● 指導者の顔色をうかがうような若手を作ってはならない
● 監督のアイデアは受け売りせず自分なりに考えて選手に伝えた
● 対戦相手の気持ちになって戦略を練る
● ドミニカで感じた、分け隔てなく面倒を見ることの大切さ
もちろん参謀の心得として、第四章が割かれています。
第三章では落合博満の、監督としての評価をしています。
組織の命令系統が、上から下まで見事に統一されていたのが、最後の3年間であったと書かれています。
森コーチはヘッドなので、会社でいえば中間管理職でしょうか。
部下はコーチです。
選手は?ここではおそらく社員の扱いではないはずです。
社員は?おそらく個人企業主の思いなのでしょうね。
だから個人で生活をかけて頑張っている彼らを、公平に愛情をかけ才能を伸ばしてやることに徹底したのでしょう。
確かに監督就任以後野球にそれほど興味のなかった私にも、中日のコーチは入れ替わりが激しいなとおぼろげに感じていました。
他のチームでコーチが変わるときは、成績不振のスケープゴートにされるのが通常なので、ちょっと普通じゃないなと感じたのでしょう。
この本は一般企業の組織論として確かに中身は目新しいことはないのだが、意思統一を上から下まで貫徹するにはどれぐらい努力をしなければならないか。
それが理解できるモノになっている。
その意味では監督の「采配」よりも、経営参考書としては実践豊富な蔵書になりうる。
森繁和コーチは本書で述べているように、西武のコーチ、日本ハムコーチ、横浜ベイスターズコーチを歴任し、落合中日に招かれたということです。
中日では2004年、2005年は投手コーチ、2006年から2009年はバッテリーコーチ、2011年はヘッドコーチを務めた。
読了したあと2、3日考えていました。
落合監督は森コーチをどのように考えて使っていたのか?落合監督は何を考え続けているのだろうか?
私はこう考えたのです。
確かに「参謀」として使ってきたのだが、中日での段階を踏んだコーチ歴を見れば、監督の道を歩ませていたのではないだろうか。
それは何故?
それは落合博満と言う野球人が、「日本のプロ野球の改革を目指しているから」という結論に至ったのです。
怒鳴ったり殴ったり、好き嫌いで使ったり使わなかったり、何何派だと言ったりし、本来以外のところで野球をやっているのが今の日本プロ野球と考えているのだろう。
その改革をずーっと、これからも続けていくのだろう。
ところでこの参謀も、落合が来年巨人の監督にでもなったら「参謀」でいられるだろうが、そうでもなければきっと今度は「采配」をするんだろうと思う。
それは落合の改革の一貫のはずで、そうしなければ落合改革は持続していかないのだ。
ところでもし来年落合ジャイアンツになったら、昔の川上ジャイアンツのように連覇し続けるのだろうな。
ますますプロ野球が面白くなくなるよね。
私ジャイアンツは嫌いだから!
私は水原茂監督のファンなので、彼を追い出したジャイアンツは今も嫌いだ。
ナベツネ、本気で来年落合を呼ぶかね?
きっと落合ジャイアンツになったら、テレビは見てしまうだろうけどなあ。