リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

前ドラゴンズヘッドコーチ森繁和著 「参謀」を読む その1


前ドラゴンズ落合博満監督の右腕だった、森繁和さんが書いた「参謀」がやっと手元に届きました。

アマゾンで注文して1ヶ月以上かかりました。売れているのじゃないでしょうか。

週刊誌の記事でアウトラインのことは理解していますが、読了してやはり組織を構築するのに優れていたんだことが分かりました。

またそれをどのように維持していくか、並々ならぬ努力があったことが分かりました。

やっていることはとてもシンプルなのだが、シンプルだからこそ簡単には真似のできないことだということも分かります。

読む前に森コーチはどのような参謀か、考えていたことがあります。

最近特に女性の間で歴史ブームだそうで、歴女などというタレントも出てきています。

よく知られていることですが、豊臣秀吉には2名の優秀な参謀がいました。

一人は私の好きな竹中半兵衛、もう一人は黒田官兵衛の2人です。

二人とも有能でしたが明らかな違いがありました。

半兵衛は病弱で秀吉がたっての願いで軍師として迎えた人物でした。野心はありませんでした。

官兵衛はのちの黒田如水で、のちに徳川方に味方し九州の領地を得たが、天下取りの野心があったとされている。

このどちらのタイプに彼は当て嵌るのだろうか、そのような観点から読み進みました。

読了してみるとまったく新しい見方がしてきました。

それはまたあとの方で書きましょう。

落合博満著「采配」でドラゴンズ落合野球の考え方が見えました。

JーSPORTSのお二人の出演で、わかったこともありました。

しかし彼がどこまで細心の気配り目配りをして、プロ野球を戦うための組織作りをしてきたのかは、全貌がつかめませんでした。

それがこの本では明らかにされています。

野球選手や元野球選手の本が、中小企業経営者でブームになっていたことがありました。

私はたかが野球が企業経営に生かされるはずはない、そう思い野村勝哉監督以外の本は読んだことがありませんでした。

しかし今回のお二人の語る組織理論・運営はとても参考になります。

近々「手のひら先生の高麗手指鍼講座」を開こうと思っていますが、将来もこの素晴らしい治療法を残すには、いかにして組織化し運営すべきか示唆が多い本です。

東洋医学と言われながら、この治療法がなかなか広まらないのは、育成システムに問題があります。

自らが運営しようとすれば、組織そのものの運営問題に直面しなければなりません。

組織もただ形をなしても、実際その中で動くのは人間なので、今回の著書2冊は参考になります。

特に森さんの「参謀」としての視点、働き様は、組織が具体的に効率よく動くためにはどういう人材が必要か、ルールを働かせていくかが明確に理解できます。

サッカーチームで監督が変わったとき立ち直るきっかけは、新監督がシンプルな作戦を明確にした時だと思います。

明確なルールと目標、指導者の意思をはっきりさせる。

そして組織における大切なこと、それは人材を公平に扱うことです。

勤めていたとき活気があったときは、職員が昇進や移動に際し公平な扱いをされていると言うムードが有った時でした。

ちょっとでも差別感が蔓延すると、職場の雰囲気には停滞感が充満します。

野球などメンタルなスポーツはそうなのでしょう。

サッカーでも外人監督が変わると、日本代表のメンバーは大幅に変わることがありました。

実力伯仲のプロの世界でそれほど差がない時に、監督の好き嫌いで消えってったとしたら、それはもう不運としか言えないでしょうに。

未だ選手から落合監督の悪口を聞いたことがないのは、このようなところまで配慮が行き届いていたからだとこの本には書かれています。

実際は本当に難しいことだと思います。

才能・技術だけで見ることができる世界でしょうが、一般社会では学歴や肩書きなど多くの要素が絡んできますし、なにそれの関連などまで入れればそれは判断しずらいことでしょう。

良く監督はそこを見切ったことだと思います。

またそこを理解し支えたヘッドコーチの手腕も称えられるべきでしょう。