リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

東洋医学から見たダイエット法 その1 1日1食法を考える


 鍼灸学校に通い始めた頃、なんで2千年以上も前に発見されたツボが、未だに治療に役立っているのか疑問でした。

それを読み解いてくれるような解説書はありませんでした。

先生に聞いても答えはないだろうなと思っていました。

そこにたまたま見た週刊誌に出ていた食生態学者として有名な、西丸震哉さんがこのようなことをおっしゃっていてそれで合点がいったのです。

「人間の生理というものは短時間には変化しない。変わるとしても何百万年単位になる。」

生理活動というものはそのようなものなのです。

鍼灸が進化するとしたら、ツボの真の意味を理解しその運用がが進化することなのだ、そう理解したのでした。

ダイエットについても同じことが言えるはずです。

そもそも今のように食料が安定して供給されるようになったのは、人類史上まだ50年も経っていないはずです。

戦後すぐは糖尿病患者が皆無だったというのはよく知られたことです。

子供の頃は今年のコメの収穫量が前年を上回ったニュースが秋になると話題になるのが常でした。

そのような訳で、人間の生理としては食物にありつけた時は腹いっぱいにし、余分なエネルギーは脂肪として皮下に溜め込む。

食物が手に入らないときはそれを消費して命をつなぐのが人間の生理になっているのです。

さらに最近の研究では長寿遺伝子というものがあり、普段働かない遺伝子にスイッチが入るのが空腹を感じる時だそうです。

飽食している間遺伝子は機能していないそうです。

人間が飢餓状況にある時は生き延びるために、この遺伝子が働き始めるということになっているらしいのです。

今までの教育では長寿を望むなら、食生活をただしバランスのとれた食事をすると言われていました。

しかしこのような遺伝子研究レベルの発見があると、必ずしも満たされた食事が命を永らえさせるものでもないことがわかります。

昔から言われている腹八分目、六分目が本当に正しい食事方法であったのです。

腹減った!とかひもじい!ぐらいが人間の体には必要なことだったのかもしれません。

しかし今の飽食の時代なかなか食に対する欲望を抑えることは難しいことです。

そこで昨今やたらと多いのが簡単ダイエット法です。

日本が高度成長から安定期に入った頃からダイエットが盛んになたのではないでしょうか。

韓国でも最近はダイエットのためのエクササイズ教室が盛んなのは、韓国も経済が成熟期に入ってきた宝庫なのではないでしょうか。

その一つに1日1食ダイエット法があります。

昔から行われていたことですが、長寿遺伝子のことも加味して「見た目20歳若くなるダイエット」法を、南雲医師が本にしています。

昼間は食事と言えるようなものは口にせず、夜一食は何でもありで腹いっぱい食べても良いというものです。

西洋的な見地から東洋的な見地から、朝食は食べなければならない。そのような議論がいまだに続いています。

東洋医学的な考え方では、朝起きてすぐ大便をするのはこの時間帯は大腸が活発に働く時間帯からだと説明されています。

大腸が働いているときは胃は休止状態なので、朝食は摂らない方が良いという理論でした。

ところが朝食を抜くのは成長過程にある子供にとってよくない。

そういう理論が広まってきました。

そこで子供は朝食を摂るべきで、成人は摂らない方が良いと言う折衷案も出ました。

その問題は個々人に任せて、現代のような飽食の時代は食べすぎる嫌いがあります。

朝昼晩と満腹状態では、胃腸が休まる暇がありません。

腸がのべつまくなく働いていると、体は疲弊してしまいます。

特に小腸は働く時間帯が決まっています。

ピークになるのが深夜帯なのです。

心臓と小腸は陰陽で裏表の関係になるのです。

心臓のピークが正午で、小腸のピークが零時です。

深夜心臓が休む時小腸が働き血液を流しているのです。東洋医学ではこう考えます。

胃袋に食物が入っているときは小腸は休んでいて、寝るころには消化されたものが小腸に送られ働き始めるのです。

寝ているうちに消化されかつ血液が回る、つまり理論的には夕食は正しい食事になります。

昼間は交感神経が優位に働いています。内蔵は副交感神経が優位に働く器官なのです。

つまり食事をすることは交感神経を抑えることになります。

昼食後眠くなるのは副交感神経優位になる結果なのです。

ということは仕事面からするとこれはマイナスの働きです。

エネルギー面とは別に、昼食は人間活動からはマイナスに働きます。

1日の栄養、エネルギー量、を考えて、ダイエットを考えると、この夕食だけにすることは理にかなっていると私は思うのです。

あとは感じる空腹感をどのようにコントロールするかだけが問題になります。

しかしこのストレスも夕食は何をどれだけ食べても良いというルールなので、案外耐えることができるものです。

と理屈をつけて最近私もこの1日1食ダイエットを始めました。

今のところ快調で、快腸でもあります。

腸の負担が軽くなると、血流が良くなり心臓への負担も少なくなる気がします。

ダイエット方法に悩まれている方、お金もかからないこの方法はお勧めです。