リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

週刊誌のがん特集

 先日NHKに久しぶりで桑田佳祐さんが出演していました。

NHK「SONGS」
http://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20110817-21-20618

一度がんになると元の元気さが失われたような気がします。身体の問題ではなく心の問題でしょうが。

それほどにがんに一度でもなると、体も心もダメージを受けてしまいます。

まだ決定的な治療方法が確率されていないからといえます。

何よりまだがんは「悪性新生物」として、えたいの知れない病気と言う認識があるからです。

唯つ確立した切除と言う方法でもいつ転移するか分からず、5年経過して発症しなければほぼ完治とみなされるのです。

その間の患者さんは気が気ではない日々を過ごすことになるはずです。

さて今週の週刊ポストには永遠のテーマかも知れない、「がん告知」について問題提起がなされています。

がんと生きる時代 「告知せず」という決断 週刊ポスト9月2日号
http://www.zassi.net/mag_index.php?id=51

いまさらと思いますが、がん告知が一般化されてきた昨今では、これもまた繰り返して議論されるべきでしょう。

森鴎外高瀬舟で提起した「安楽死」と同じく、昔からこれで良いという結論はつかないはずです。

最近亡くなられた、宮尾すすむさんと原田芳雄さんの例は、家族が医師にがん告知をされたが、ご本人には伝えなかったことが書かれています。

いま医師ががん告知をする率は、65.7% 余命告知率は29.9%だといいます。

「がん患者各人の死生観にも深く関わる問題であるが故に、医療現場で「告知の功罪」が今なお激しい論争を巻き起こしているのである」

がん告知はフジテレビから独立した直後の、フリーアナウンサー逸見政孝さんが自らマスコミに発表して、それ以後法改正もあり一般化されたのが現状である。

医療現場は直接関わったことが無いので分かりませんが、ある大学病院に勤める医師の話を漢方セミナーで聞くことが出来ました。

患者が自分はがんではないのかと疑い、激しく主治医たちに迫った。しかし主治医たちは全員その学校の卒業生であった。

しばらくするとその患者は院内のその医師のところへ移された。

そこで何回も彼に本当の病名を聞いてきた。

彼も悩んだ末に日々の診察を通し、患者との信頼関係を築いたところで告知した。

患者はそれを聞いたあと心が和んだせいか、身辺整理を行なって静かに亡くなって行ったそうです。

いろいろな患者の例を上げてもこの問題は永遠に解決されないテーマで、法などによって一律に告知を義務ずけても解決しないことです。