近藤誠医師の「がん論文」で思うこと その8
週刊文春1月27日号「抗がん剤はそれでも効かない」として、「小誌記事に再反論」が載りました。
週刊文春
http://www.bunshun.co.jp/
前回1月20日号で掲載された、「勝俣範之・国立がん研究センター中央病院・腫瘍内科長と上野直人・テキサス大学MDアンダーソンがんセンター教授に、ジャーナリスト鳥集徹さんが取材・構成した反論記事」に対する反論です。
この記事を読んでみれば分かりますが、確かに誰の発言か分からないところやあいまいな点などを指摘したものです。
ほぼ今回で論点は出尽くした感じがあります。
ただ他の記事などでは、患者が今までの記事や論文を読みあまり理解しないで、主治医のところで混乱を来たしているようなこともあるようです。
昔からと言ってもこの10年くらいのことですが。
なぜ鍼灸師なのにがん治療にそれほど関心があるのか?鍼灸ががんに効果があるのか?そう皆さんは思われるでしょうね。
私が「高麗手指鍼」を習ったのは日本でした。先生は韓国人、故金成万でした。
講習を受けた1年か2年前に、先生は日本テレビのがん治療特集に出られました。確か故青島幸男の「追跡」でした。
青島幸男ウェブオフィシャルサイト
http://www.aoshimayukio.jp/
青島幸男Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B3%B6%E5%B9%B8%E7%94%B7
そこでは末期と言われた肺がん患者が、インタビューに答えていました。「最初に来た時は人に抱えられて来ました。毎日治療して今は開けられなかった目も、ほらこの通りと言ってほほ笑まれていました。」
その時からいつかは先生のように、この高麗手指鍼の潜在能力を引き出して「がん治療」を行いと思っていたのです。
でも私が考え出したのは「私独自のアイデア」です。先生のやっていたがん治療を、私は見たことがありません。
もっとも鍼灸師とは自分の技術を、それこそよほどのことが無ければ伝授することはないのです。
先生もある生徒の「先生はがんを治して有名だそうですが、僕たちも将来治療をしたいので教えてほしい」という質問に答えて、「そんなことしたら、飯の食い上げよ。」と初めは言っていました。
「いやー外人はキツイナー」と私は思いました。しかし「そうありなん」と思い「むしろ質問した方が悪いと」思いました。
医師なら治療方法を考え公開すれば、地位も名誉も上がり収入も伴うでしょうが、鍼灸師は教えたらおしまいと言うのが古来からの習わしです。
それを講習初めから要求するのは愚の骨頂です。
それからしばらくして先生も悪いと思ったのか「わしががんを治せるのは、一本一本木を込めて鍼を刺しているからだ。」とおっしゃっていました。
それから2年ほどのうちに、私は独自に免疫を上げる方法を考え、着々とその方法を検証し実績を積み上げてきました。
でも所詮この西洋医学全盛の中で、鍼が信頼される状況にはありません。
しかしその一方のところで、果たしてどのくらい医学は進歩しているかの興味は絶えないでいるのです。
結局今人類が克服している病気は、西洋医学では20パーセント程度と言われています。将来的にもそれほど上がるとは思えません。我々が生きているうちは。
ここで近藤医師が文春に論文「抗がん剤は効かない」を載せる前に書かれた、「あなたの癌は、がんもどき」を読むことにいたしました。
「あなたの癌は、がんもどき」近藤誠 著 梧桐書院刊
http://www.gotoshoin.com/cat33/post-136.html
最初はこの数年のうち近藤医師が週刊文春で発表され、私も読ませていただいた「がん検診」についての項です。
おそらく初めて読まれる方は、ビックリされる内容かもしれません。
検診が「がん患者を生む」内容だからです。
確か週刊文春では、「胃がん」と「肺がん」を取れ上げられたと思います。
胃がんについては、20枚の胃がん写真を日欧の医師に見せ、手術をするか否かを問うと言うものでした。
結果日本人医師は全員すぐ手術をするというものでした。ヨーロッパの医師は、1件を除いて他はそのままに置いておくと言うものでした。
胃がんについては以前から、近藤医師は自然治癒するものが多いと説明していました。
今現在健康な人でも、胃がんを過去に発症していた痕跡を見ることがある。症例は多いそうです。
私が考えるのは、おそらく胃と言う臓器は活発に動き血液の循環が行われることと、胃酸という強い殺菌作用が働くかなと思ったりしているのですが。
「肺がん」についての論文が掲載されてしばらくして、集団検診から肺がん検診を外すと厚生省が発表したことがありました。無関係ではなかったとその時思ったものでした。
「肺がん」は見つけても助かる可能性が無いので、発見もしないしもちろん手術はしないと言うのが結論でした。
第3章でがん集団検診の意義に疑問を呈されています。対象は「胃がん」「乳がん」「大腸がん」「肺がん」「子宮がん」です。
結論がまとまっていますので要約します。
?検診でがんを発見される人が増える。?がん死亡数は変わらないか増える。?検診で増えたがんは、がんもどきであると考えられる。?本物のがんは検診で発見された時には転移が生じている。?CTを使うとより早く発見できるが、結果は変わらない。?PETは精度が高いが、被ばく量が多いのでがんの原因になる。?最近は集団から個人検診への傾向があるが、よりもどき患者の数が増える。
興味ある方は本を購入され、検診と非検診によって死亡率がどうなっているのか理解された方が良いと思います。