リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

前立腺肥大・前立腺がんについて その2 

前立腺肥大には手術以外効果はなさそうです。

もう父は亡くなったのですが、ある時部屋から這って出てくることがありました。

母と私はビックリして「どうしたのと?」と聞くと「良く分からないが、立てないんだ」という答えでした。

ベットに連れて行って心臓が悪いので脈を見ましたが、普段と変わりありません。そこで日頃から小便の出が悪いと言っていたので、前立腺の関係と思い治療をしました。

2日もするとすっかり元気を取り戻しましたので、「あの時のこと覚えてると聞きますと」「全く覚えていない」と言うことでした。

おそらく前立腺が肥大して尿道をふさいだので、尿が逆流し毒素が身体を駆け巡ったか、腎機能が変調を起こしそのようなことが起こったのでしょう。

それからは気を付けて、時々「尿の出はどうですか」と聞くようにしていました。病院に連れて行って薬も処方してもらっていました。

ところが2年ほどしたらやたらお腹が痛いと言いだし、救急外来を訪れることになりました。

診察の結果「膀胱がパンパンに張って、2リットルほどの尿が溜まっていました」 「なんだ前立腺肥大だったんだ。それなら鍼で治せたのに」と独り言を言っていたら、看護師がそれを聞きつけて「エッ、前立腺手術しないで治るんですか?」と聞いてきました。

それで薬では前立腺肥大症は治せないと分かったのです。

それ以後父を治療する時は、前立腺の治療も怠らないようにしました。老齢になると言葉の信ぴょう性が無くなることがあるからです。

そうすると今まで怒りっぽかったり、何かと近所とのトラブルを起こしていたのがぴたっりと止み、おとなしい老人の姿に変わったのです。

前立腺肥大は単に排尿障害だけでなく、このように合併症とも思える症状を呈すると知った次第です。


では前立腺肥大症が前立腺がんに移行するかと言うと、現在はその可能性はないと考えられているようです。

What's 前立腺がん
http://www.zenritsusen.jp/towa/hidai.html

男だけの病気とはいえ、老齢に伴うことが多いので「男としての自信」を失う病気の一つともいえるかも知れませんね。

しかし腫瘍とは言え良性で、前立腺がんとは問題のレベルが異なります。

アースマラソンから無事帰国された、我らが間寛平ちゃんもその途中で前立腺がんが見つかり、一時はどうなるかと心配したものです。

Kanpei Earth marathon 応援ブログ
http://earth-marathon.laff.jp/

初期だったからとはいえ、良く完走するまで身体が持ちこたえたかと感服いたします。気力も応援も大きなエネルギーになったのでしょう。

私も末期の前立腺がんで転移もある、ステージ?のDと診断された患者さんを、約1年で完治させたことがあります。しかし程度は異なるとは言え、世界1周のハードなマラソンに耐えると言うのは、並大抵の体力と精神力ではなかったと思います。