リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

手のひら先生の高麗手指鍼講座の準備 その7

この標題が続いています。


手指鍼を講座として持とうと思っているのですが、身体を壊してみると改めて考えると、まだまだ不備な点が多いと思います。

私が受講したセミナーを思い出しても、「一人前にしてくれるわけでも、また開業を保障してくれるわけでもありません」それがほとんどです。

当り前だろうとも思うのですが。

ある程度治せる鍼灸師になるには、弟子入りをしなくてはならない。これが伝統的に受け継がれてきた方法です。

その形が時代とともに取れなくなって、多くがセミナー形式になっています。

簡単にこのつぼとこのツボを使えばこの病気を治せる。と簡単なら誰でも治せるわけで、それこそ鍼灸師はいらなくなってしまいます。

セミナーでは少なくても10人程度の生徒を、それこそ弟子入りのごとく育てるには、大変なエネルギーと教育システムを備えていないといけないと思うわけです。

あるセミナーでは「この技術を実際に覚えて使っているのは、この中の2割程度でしょうか」と言っていました。

しかしそれを仕事にする方としては、それは事実かもしれないがたまったものではありません。

鍼灸は文化を伝えるものなのですから、単に文章にして渡したとしても伝わるものではありません。

有名な鍼灸師で何冊も本を出している方がいますが、その本通りに治療して治ったと言う鍼灸師に出会ったことがありません。それほど鍼灸師との付き合いがないので、真実のところは分かりませんが。

学生時代に先生から聞いた話では、「鍼灸師は実際のところは書かない。わざとツボの数を多く書いたりするものだ」そうなのです。

私が思うのにはそのツボを書いて批判されないように、自分では治療で使ってはいない同じ効果があり他の鍼灸師が使っていそうなツボも書いておく、そのようなことがあるのではないかと言うことです。

その先生が使って効果があっても「気」と言うことを考えれば、他の鍼灸師が使って効果的なツボになるかと言う問題があります。

また一つの技術だけで治療できる疾患はないと思います。とするとそれと組み合わせるものはどのような鍼灸技術があるのか、また我々が使えるもので効果的な物がこの世にあるのかなど。

考えればセミナーをもつなんて大変なことだなと思うのです。