リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

手のひら先生の高麗手指鍼講座の準備 その6

あなたは何か仕事に就いたことがありますか? そしてその仕事を誰かに引き継いだ経験がありますか。

何かを教えることは大変難しいことです。相手がいることなのでなおさらです。

私が勤め始めて何年かした後、新任の係長がきました。その時教えてくれたのがこのような方法です。

伝票などの処理方法ですが、まず数字などを書き入れた書類をノートに次々張っておくのです。前任者から聞くのはせいぜい1回だけです。このような書類は実物を残して、分からないことをわきにメモしておけば、何回でも見返すことができます。

1年目は仕事を覚えるのに必死です。民間企業と違って、市役所などはマニュアルがありません。なくても済むのと作ったことがあるのですが、全く役立たずだったことがあったからです。

2年目は全く予期しないような事例が起きることがあります。クレームなどもそうです。何年に1度あるか否か、そんなクレームは書き留めて置かないと、対処にとても時間がかかります。
また1年通して見れば、2年目はとてもスムーズに仕事がすすみます。

私はこの2年目を、事務の改善に努める年としました。すると前任者が残業しまくりだったものが、2年目の終り頃には月の始めと終わりに仕事をするだけで、後は居眠りと言うこともありました。

3年目は異動があることを見越して、例のノートの充実です。役人の仕事の引き継ぎは、実質が希薄で形式の場合が多いのです。引継書 書類A 1冊  書類B 1冊と言うようにです。後は何時間か仕事のアウトラインを話して終わりです。実質の内容を聞いても、後任のものはさっぱりわからないのが実情です。

なぜこのようなことを書くかと言うと、私が参加したセミナーでは先生方はもうベテランで、その話される内容は歴史を重ねるうちに、無駄な言葉が削ぎ落とされてしまっています。

最初から質問事項が思いつくこともできません。

先生が最初に悩んだこと、戸惑ったこと、どのようにして悩み技術を習得してきたのか。

もしそのようなことをメモ書きしておけば、きっと原点に戻って講義ができるはずです。そうすれば学ぶものと教えるものが、同じレベルでの共鳴ができるはずなのです。

この事をいかにして伝えることができるか、それが文化になるのでしょうか。

ある段階をや経験を重ねれば、質問疑問は湧いてきます。しかし最初の出発点からいかにして伝えることができるか、なにも話さないことも伝えることの一つかもしれない。しかし悩み苦しんだ過程を、教えてやることもまた一つの教育と思う。