白鵬に大横綱を感じて
今場所の白鵬はやっと大相撲の、日本人の感覚をもった大横綱になったと思いました。
今場所は自分でシナリオを描くようになっていましたね。
それも完璧にね!
早々と事情があったにせよ稀勢の里が早々と脱落し、遠藤もまだ役者不足でその上日馬富士が休場の場所で、本当はさびしくなってもおかしくない場所でしたね。
ところが鶴竜が見違えるほどたくましくなって帰ってきた、そんな感じに見事に鍛えられた身体で帰ってきました。
昔よく見た谷風や潜航艇岩風見たいに、肩の肉が盛り上がって胸板も厚く、サイボーグみたいな身体で身体になっていました。
取り組みも力強くなっていました。
次の横綱候補に突然変身して躍り出てきたようでした。
千秋楽の実況は見ていなかったのですが、おそらく優勝決定戦になるだろうなと思っていました。
まだまだとはいえ変身した鶴竜にはご褒美の、分厚い賞金をプレゼントしました。
決定戦は「まだお前はその力はないんだよ」とばかりに投げ飛ばしていました。
でも鶴竜は自信になって次の横綱候補となって、がんばるのではないでしょうか。
白鵬は次の横綱にふさわしい者を選別し、弱いその地位にふさわしくないものを叩きのめす、従来から行ってきた横綱の役目をになってきたように見えます。
ふがいない琴欧州を容赦なくたたきつけていましたね。
何年前だったら話し合いで済んだでしょうにね。
力があるものがあと少しでその地位につけるのだが、まだほんの少しだけ心もとないとき、従来から期待値で上げたことがありましたね。
地位を得るとそれにふさわしい働きをするものでした。
プロレスなんてそのようなことが多かった。
若手がふさわしい力をつけてくると、ガチンコの試合があってそれに勝つと、やがて晴れてチャンピオンになりました。
以前騒がれていたような八百長は見苦しいのですが、伝統にのっとって行われるこのような流れは、自然の流れでそれがみんなが喜ぶ帰結なのでしょう。
栃若の時代だって、母親が場所中に亡くなった力士が涙の優勝したり、柏鵬時代に柏戸が休場明けの場所で、全勝優勝したときなどもみんな興奮しました。
筋書きのあるドラマでも、みんなが納得すればいいんです。
一夜明ければ今場所が良かったという記事ばかりでしょう。
でもいつまで白鵬に頼ってシナリオが描かれるか?
あと2年までは持たないかもしれない。
それまでに遠藤か稀勢の里の復活があるか。
意外と大相撲は面白くなってきたのかもしれない。