錦織選手や吉田麻也選手に、日本人独特の動きを
ウインブルドンで活躍した錦織選手も、まだ力不足で決勝まで到達は出来ませんでした。
師匠の松岡修造さんのようにベスト8まではあと少し、手の届くところまでは来ることができましたね。
彼はテニスプレーヤーとしては小柄です。
身体いっぱい使って、いわゆるエアー・ケイと言われるショットを放ちますが、やはり今の年齢の身体では相当負担がかかるのでしょう。
前よりも怪我は少なくなっているようですが、それでも腹筋や膝にいつも障害を抱えているように見えます。
彼は公称170センチと言われています。
大リーガーとしてはかなり小柄ですが、身体いっぱい使って渾身のスイングをします。
球団の元の監督が「あの子は今回が最後の試合のように渾身のプレーを常にする」と賞賛していました。
3年前は骨折で欠場もあったが、ほとんど大きな怪我もなくレギュラーを張っている。
彼は全身を使ってフルスイング、守備でも全力で取り組んでいます。
それでもあまり怪我がないのは、アメリカ人としての体の使い方が上手なのでしょう。アメリカ人として理にかなっているのだと思う。
スポーツというのは多くが海外で生まれたものであるということを、よーく頭に入れておかなければならない。
日本人は江戸時代まではほとんど走るということには無縁だったということは知られています。
体操も徒競走も行進も全て外国から入ってきて、戦争に行くために学校教育に取り入れたものです。
吉田麻也選手がイギリスプレミやリーグで活躍しています。
でもスピードとか体の強さが足りないとか、とかく批判されています。
ガツンガツンと体をぶつかり合うイギリスのリーグには、やはり骨量の少ない日本人は太刀打ちできないでしょう。
日本という土壌ではカルシウムが少ないので、馬などでも外国馬に比べて骨量は少ないのです。
では日本人としてどのような対策を取れば良いのでしょうか。
ちょっと視点を変えて見ると、音楽の世界でも同じようなことが有りましたね。
高中正義というギタリスト、私の上司が彼の信奉者でした。
私はギターが上手かどうかなど聞き分けることもできないのですが、彼がアメリカに行って早弾きやアメリカのギタリストに真似た奏法を見せた時、ミュージッシャンが「それで?」と言ったそうです。
つまり自身の個性、アイデンティティがないのでは?と指摘さたのです。
クラシックの世界でも日本人特に弦楽器の奏者が次々と受賞した時に、やはり所詮ヨーロッパ音楽を真似しただけと批判されました。
そこにいくと五嶋みどりとチョン・キョンファのバイオリンを聞けば、個性もまた民族も違うんだとはっきり分かります。
アイデンティティがなければ、世界では戦えません。
伊達公子選手、室伏広治選手が世界と戦えるのは、独特の動きと技術があるからです。
ライジングをうつ、4回転ターンなどは彼らの個性です。
では前に書いた選手にはどのようなテイストを加えていけば、世界で伍して戦えるのでしょうか。
私は古武道にその打開策があると考えるのです。
古武道研究家の甲野善紀師の古武道研究はまだ道途上のようですが、それでもその動きを取り入れて介護の現場まで普及しているのは驚きです。
小さい力素早い動きなど日本古来の古武道は、合理的な動きがふんだんに盛り込まれています。
また彼によってかなり動きが分析されてきたようですが、彼をもってしても動きは出来てもそれを言葉で表現しきれないものもあるようです。
それだけ古武道の動きは脳の命令伝達だけでなく、無意識に動いてしまうという神秘的な世界に踏み込んでいるものにも見えます。
サッカーで有名なスペイン、そこのチームバルセロナに属しているメッシという選手はご存知でしょうか。
彼はディフェンスが密集しているところにも、ドリブルで切り裂いてシュートに持っていきます。
彼の動きを見ていると、日本の忍者や飛脚が行っていた「難波・なんば」の動きをしています。
有名高校でサッカーをしていた選手に聞いたところ、やはり彼の動きをなんばと見ている人がいるようです。
体をぶつけることが多いサッカーというスポーツでも、体の動きを工夫すれば十分に活躍できるということです。
吉田選手などは先を読む力があるので、このような古武道の動きを独自に学べば、さらなる飛躍が望めるはずなのです。
あんま・鍼灸・古武道もその根底に「気」が有ります。
甲野善紀氏が言葉につまる、説明のしようがない動きというのは、私が見る限り気の世界にある動きです。
日常にもこのような動きを取り入れることで、まだまだ日本人の生活は豊かになるはずなのです。
論点があちこち飛びましたが、要は日本にある埋もれてしまった文化遺産を、現代に蘇らせば生活も運動でも、日本は世界に輝く存在を示せることを言いたいのです。
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