オーディオのもてぎ〜秋葉原の茂木さん
先日「家電の学校」でチュートリアルの徳井さんと内田さんが、パイオニアのハイエンドオーディオを聞いて魅了されていました。
セットの価格1800万円です。
「匠」の社内資格認定者が、一人でアンプなどを組み立ているそうです。
やはりオーディオはスピーカーを前に2台置き、メインアンプ、パワーアンプ、そして今ならCDプレーヤで音を鳴らすのが王道なのかもしれません。
昔は後ろにもう2台スピーカーを置く、サラウンドシステムが一時流行ったことがありました。今は全く聞きませんね。
季刊誌「analog」には、相変わらず昔ながらのターンテーブルが掲載されています。
レコードマニアにとってはダイレクトドライブもいいのでしょうが、ベルトドライブに今でもこだわるファンはいるのでしょう。
雑誌をめくるとトーレンスなどの懐かしい文字が踊っています。
もう40年以上前派遣先の「木村ムセン」には、棚の上に汚い中古のターンテーブルが鎮座していました。
私はオーディオなんて初めて知ったところだったので、そのターンテーブルを羨ましげに見るマニアは、とても不思議な思いでした。
後で分かったのですが、それは電音のちにデノン(DENON)と名前を変えた会社の製品でした。
オーディオ製品として有名な日本コロンビアに吸収されたようですが、デンオンはいわゆる業務用機器を製造していて、その名前を通していたようなのです。
ですから民間に流れるものは、放送局から流れてきたものでとても貴重品だったようです。
私にはゴミのようにみえた古ぼけたターンテーブルに、10万円の値がついていました。
2年後に就職した時の初任給が5万円弱だったので、給料の2ヶ月分単純に換算すると今なら40万円近い高価なものでした。
でもこれをターンテーブルとして完成するには、それを納めるボックスが必要になります。
そしてレコード針を装着するトーンアームが必要です。
なんやかやで15万以上の買い物になるはずでした。
それが売れたのです。
店員さんがそのアームを取り付ける名人に連れて行ってくれました。
今もその建物はありますが、山手線改札口をお堀側に出て道路を渡ると線路下に、古ぼけた今も昔の秋葉原を彷彿させる店舗があります。
ちょっと秘密めいた場所です。
そこの奥の方の一日中日の当たらないところに、名人はいました。
「この人がトーンアームを取り付ける名人だよ」と紹介され、秋葉原にはこういう方もいるんだと興味津津でした。
ところでこの頃松下電気今Pnasonicや東芝もオーディオ製品を出していました。
でもブランド名が、Tecnicsと東芝はオーレックスAurexでした。これも不思議でしたが教えたくれました。
マニアはナショナルや松下電気、東芝では買ってくれないからだよ。
マニアとはそういうもんだとも学びました。
オーディオは、山水(サンスイのちにSANSUI)、パイオニア、それとトリオ(今はケンウッドKENWOOD)がご三家でした。
個性も際立っていて、山水は華やかな音、トリオはやや硬い音で高音に特長がありクラシック向き、パイオニアはその中間に位置し万人向きでした。
素人同然の私も3週間もするとお客さんに説明ができるようになり、数台は売った記憶があります。
秋葉原がオーデイオの街として輝いていた時代でした。