[読書最近読んだハードボイルド
最近読んだハードボイルド3作品。アウトバーン、プラ・バロックそして探偵はバーにいるシリーズ。
前2作は最近ブームなのか女性警官を主人公にした作品です。
でもハードボイルドはSFじゃないんだから、ありえる範囲で作品にしなければ価値はないのでは?
そして問題は警察小説を謳いながら、誰でもどこかの作品を読んでいればイメージがわくような、そんなシチュエーションしか書かれていないのでは、果たして警察小説といえるのだろうか疑問だ。
そして女性警官は、離婚者か未婚者、またはだんなが不審な死に方をした寡婦の設定です。
アメリカ映画などには夫婦で警官をしているなども描かれていたはず。
スーパーウーマン見たいな設定では、ハードボイルドには仕立てにくいのだろうか。
そこの筋たてをすると、作者の文章力が相当試されるかもしれない。
映画を見てよかったので「探偵はBarにいる」シリーズを読みはじめました。
「のぶたをプロデュ−ス」や「フリーター家を買う」を立ち読みし、テレビとあまりにかけ離れてがっかりしたので、これはどうかと変な期待もあったのですが杞憂でした。
ダシルハメットではなくレイモンドチャンドラー系の、シットリ派または感傷派の趣きある文章です。
これのほうが好きだね。
ハードボイルドでもギャング映画の中の設定ではなく、日常の中にある出来事なのだから、この方が自然に違いない。
でも満足して読んでいるわけではない。
ご都合主義の設定もあるし、話がちっちゃい時や短編ならもっと大どんでん返しがあるともっと楽しいのだが。
先に映画を見てしまったので、大泉洋がまたはまり役立ったので、台詞は彼の声が頭の中でわいわい騒いでいるのでちょっと困ることもある。
第一作は「向う端にすわった男」他の短編です。
作家東直己氏は私より7歳下のおそらく55歳、北海道大学哲学科中退とのこと。
あとがきにはススキノで其の日暮しで博打や、これはいいのかと思うのだが大麻製造流通などを主な収入源にしていたと書いています。
おーい!北海道警捕まえないのか?こいつを!
この短編はデビュー作で、編集長をしていたタウン誌に載せた物で、そこそこの出来です。えらそうに批評するとですが。
短編はさ、筒井康孝とか星真一とか、私の大好きでこいつは本当にうまいと思うフレデリック・フォーサイスと比べちゃうからさ。
物足りなさもデビュー作なら仕方ないか!
フォーサイスは本当に最後はびっくりするよね。
こんな短編を朧に覚えています。
店の前をよぼよぼと初老の男が歩いている。若者が其の男を襲い金品を奪い、男は死んでしまう。
裁判が始まり襲った2人の若者は、当然牢に入るような状況だった。
そこへ中央から名の通った弁護士だかが来て若者2人を無罪にしてしまった。
読者はそんな理不尽なと思って読み進むと、しばらく後にその若者が湖に浮かんでいるのが分かった。
私は老人の住んでいた家によって残されたものを調べて発見した。
弁護をした人間と亡くなった初老の男は、、絶体絶命の激しい戦に生き残った隊の上司と部下の関係にあった。
おそらくそのときの生き残りたちが敵をとってやったのだろう。
そのような結末だったはず。
あっと驚く為五郎でなくても、これからはもう少し驚かせて欲しい。
「バーにかかってきた電話」は原作なので、今は「探偵はバーにいる」を読み始めています。
また伝統的なアメリカのハードボイルドも平行して読み始めているので、読み比べてみてどうなるのか。
頭がこんがらなければよいと、ちょっと心配ですが。
警察小説と謳うなら、大沢在昌のように警察官の姿を組織を書かなけりゃいけないよな。
おまわりさんきっと笑っているよ。
文庫本だって今は600円、800円を越えるんだからね。