地元にスポーツ文化がある幸せ
なでしこジャパンが優勝しました。女子サッカーそれもワールドカップでの優勝です。
MVPと得点王に輝いた沢穂希選手は我が市、東京都府中市の出身です。うれしいですね。
ちなみに府中市は2つあり、もう一箇所は広島にあります。
彼女が小学生の時所属していたのが、スポーツクラブ「府ロク」のチームでした。
既に知られていることですが、川崎フロンターレ所属で日本代表でもある、中村憲剛選手も沢選手より2才下で属していました。
「府ロク」の府は府中市の「府」です。「ロク」は第六小学校の略です。
府ロクスポーツ少年団史
http://www2u.biglobe.ne.jp/~furoku/syounendan-shi.htm
現在では府中市内だけでなく多くの優秀な選手が集まってくるそうです。ちなみに中村選手も隣の小平市出身です。
「府ロク」の文字が私の心に焼き付いたのは、府中市職員だった時に行なった「自己啓発のテーマに、清水市のスポーツ文化」を選んだ時でした。
清水市のサッカーの礎を築いた堀田哲爾氏を訪れたとき、冒頭に「府ロクさんには、いつもお世話になっています」と言われた時でした。
サッカー王国清水市
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/fudasho1973/article/34
「府ロク」の名前は知っていましたし、新聞にも少年サッカーの試合が載っているので、気には止めていたのですが、このことは衝撃でした。
たったこの一言で、その後のインタビューから始まった訪問はスムーズに進んだのでした。
東京都は言え、府中市は東京の田舎です。
特にこれといった特徴もない、ベットタウン化した一都市です。
東京競馬場、府中刑務所、今は忘れ去られようとしている「あの三億円事件」ぐらいで有名な街です。
地方に行くとスポーツ少年団組織がしっかりとしているのが分かります。
ところが東京は学校が多いのと、高校辺りになると地域よりも学校単位、プロチームの下部組織が多く幅をきかせてきます。
地域のスポーツ文化としての色彩は、都会にあるほど失われてくるのではないでしょうか。
しかしスポーツは地域や人種や言葉を超えて、お互いが理解し合えるものです。これも堀田さんにサッカーとはそのようなものだと教えていただいたことなのですが。
ほんの少し前まで、スポーツをやる選手は「勉強ができない頭の悪い奴」ぐらいにしか見られませんでした。
しかし今や世界の檜舞台で活躍選手は「スポーツ馬鹿」では戦えず、またその選手のバックグラウンドには必ず、地域に根ざしたスポーツ文化が存在します。
長野オリンピック前に長野県知事が「あの、水すまし見たいなやつ」とスケートを揶揄したことや、日韓ワールドカップの日本人サッカー選手を見た国会議員が「頭を金髪に染めちゃって」と発言して物議を醸したのは、ほんの少し前でした。
選手は一流議員は三流以下の象徴です。レベルに雲泥の差があるのです。
国会議員だけでなく、新聞などのマスコミもそれほどのレベルではないですけど。
スポーツ選手がまだリスペクトされない日本では、果たしてどこまで世界に追いつけるのでしょうか。
世界のトップレベルの選手がテレビに出る時でも、バラエティで刺身の褄の扱いにしかなってないのは、文化程度の低さ民度の低さを象徴しています。
これからは選手や選手会からも、自らの地位を引き上げるように戦っていく姿勢が必要ではないでしょうか。
それにしても我町からヒーローが出ることは、心からうれしいですね。