リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

交感神経が優位な人は糖尿病になりやすい


なぜ「これは」健康にいいのか
http://www.amazon.co.jp/

順天堂大学教授 小林弘幸
http://www.juntendo.ac.jp/staff/sogo_shinryo/index.html

副交感神経を中心に様々な病気を読み解いて、いかに病気に対処していくかを平易に解説しています。

読んでみてとてもわかりやすく、理解できる良い本なのでベストセラーもうなずけます。

副交感神経に注目するのは、正常神経節ブロックの若杉丈吉医師 新潟大学安保徹教授と同じ理論なのですが、より平易に解説されているのではないでしょうか。

今すぐ実践できる方法が随所に見られます。

糖尿病というのは高血糖によって引き起こされる病気であるということは、広く一般にも理解されている事と思います。

インスリンの働きで血管の穴を大きくして糖を体内に取り込む。ところが高血糖が続くと、この穴が開にくくなり血管内に糖分が留まり、結果高血糖状態になる。

ではそれが何故体に害をもたらすのか、中々理解できなかったのですが、ここではこのように解説されています。

糖尿病で壊疽が起きやすいのは、高い血糖が血管内の内皮細胞をさらに傷つけるからです。いわゆるシェアストレスです。

シェアストレスと言うのを知ったのは医学書でした。血流が血管にぶつかって傷を付ける行為をシェアストレスと理解できたが、どのような場合にそれが多く影響を及ぼすまでは理解できませんでした。

それが理解できる解説でした。

交感神経優位だと血管が緊張状態にあり、血流が低下する。

このことで各臓器の働きが阻害されるので、糖尿病をさらに悪化させる原因になると説いている。

また今までの医師の立場からは語られなかった言葉が書かれています。

「現在の医療は、心臓が悪いと心臓を治療する、肝臓が悪いと肝臓を治療する、腸が悪いと蝶を治療するという局所的な対症療法が主流ですが、私はこうした治療では根本的な治療はできないと考えています。」

おいおいそれは東洋医学的な見方ではないのかな?

本来それが治療の本質であり、東洋西洋の区別を付けるところではないのでしょうが。

何はともあれおすすめの一冊です。

さて糖尿病を東洋医学的に、季節を区切って考えるとどこに属するかわかりますか?

肝臓の属する季節は春、心臓は夏、肺は秋、腎臓は冬です。

では膵臓はどこ?膵臓は土用に属するとされて、土用は四季の間に存在します。

つまり膵臓の病気は一年中発症する可能性があるとされているのです。

500年前に既に中国では暴飲暴食で発症する病気とされ、口渇(コウカチ)が激しくなるなど、その症状も認識されていました。

人類の経済発展と共に発症してきた疾患と言えるのです。