日月警備保障 6億円盗まれる
東京・立川の警備会社強盗:被害は6億円、国内事件では過去最高 内部事情知る? 毎日jpより
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110513ddm041040143000c.html
日月警備保障立川営業所から6億円もの現金が盗まれました。
府中に住んでいると、あの3億円現金強奪事件が思い起こされます。ちょうど私が大学1年の時でした。
この日月警備保障も思い出があります。
我が明治大学は当時先駆けで、前期試験を夏休み前に行っていました。
夏休み開けに多くの大学で前期試験を行っていたのですが、その方が生徒の負担が多かったのでしょう。
しかし7月に試験があると楽ではありますが、生徒の稼ぎ時のお中元シーズンが終わってしまうのです。
アルバイトの口も今日のように無かった時代、これは困ったことでした。
その頃やっとアルバイトニュースが、タブロイド版で発行されたばかりでした。学生援護会と言う会社が、ここから伸びて行った時でした。
その後ここから、アルバイトニュース、anなどが発刊されました。
そこで多くの学生は国の機関、学徒援護会に行ってアルバイトを探したのです。
もう8月に入っていて、ほとんどアルバイト情報がありません。
その中に募集100名、仕事内容:駐車場の管理、切符のもぎり、場内の案内など 就業時間:10時〜17時まで 3食付き。契約は3日間でした。働く場所は小田原でした。
日当は確か1300円でした。その当時は日当1000円ぐらいが平均でしたから、食事つきとなれば破格です。
同級生と話し合って仕事内容は良く分からないが、行ってみようと言うことになったのです。
当日集合場所に集まって分かったのは、仕事依頼主は警備会社、当時は日月商事だったと記憶していたのですが。
怖気ずいた学生もいたのですが何はともあれ、窓に格子の入った護送車見たいな車に乗りいざ出発です。
信号停車すると通行人が皆犯罪者を見るように私たちを見ます。ははあ〜ん、このようにして私も護送車を見ていたんだと、変な感心をしたことでした。
やがて小田原です。でも車は止まりません。ドンドンと進み約2時間ほど経過し、伊豆山中の農家に着きました。ここが3日間のねぐらになりました。
10時から仕事なのですが、伊豆から小田原までは2時間はかかります。結局起床は6時です。ま!しょうがないっか!これも社会勉強!
遊園地かなそれとも大きな展示場かなと言う推測は外れ、そこは小田原競輪場でした。競輪場は初めての体験でした。
私身長160センチ、小柄且つ痩せぎす。それがガードマンなったのです。
ここでの体験は外では得難い、それからの人生の貴重な体験を多くさせてもらいました。
夏休みの運動場が駐車場に変わります。夏の部活動がギャンブルのため、中学生がはじかれる現実を見ました。
一家総出で車に乗って来るクリカラもんもんの方達、おかもちもオートバイもほったらかにして走る出前のお兄さん、丁寧な言葉で道を聞くのだけど、良く見ると窓に掛けた腕には立派な入れ墨が彫ってあった方など、いままで見たことのないような光景に出会いました。
呼ばれて入場前の列を整理する役になりました。ガードマンの服装はしているとは言え、紅顔の美少年ぞろいです。
じりじり照り返しのある正門前は、開門は今か今かとまつおじさんばかりです。
見れば「競輪やる金があったら、何か食べた方がいいんじゃないか」と見えるおじさんもいました。でもこれが小父さん達の楽しみなんだと思いました。
「兄ちゃん今何時だい?」「9時30分ですけど」「そうかい、エへへ」
隣に立っている、身長180センチの学生が私の袖を引きます。小声で「怖いな、怖いな」と言うのを聞き、図体でかくても意気地のない奴が言うもんだと感じました。
警備会社社員がすりを捕まえました。犯罪者を目の前にすることは無かったので興奮しました。さすが警備会社社員と思いました。
常習者だったらしいです。
私はすべて学資稼ぎのアルバイトでは無かったのですが、アルバイトは就職のための社会科見学とも位置付けていました。
有名企業でも裏の仕事は厳しいし、食事などの環境も悪い。
募集条件と実際の採用条件の違いなどを、アルバイトの中でしっかりと体験しました。
今の学生は遊びのためのアルバイト、楽しいアルバイトしか考えていないのじゃないか。そう思います。
3日間の仕事でしたが、夜10人ぐらいで隣の伊東温泉まで行ってナンパしたなど、青春の1ページに刻んだ楽しい時間でした。
ともあれ一時でも関係のあった会社が、犯罪に巻き込まれたことは本当に残念な出来事です。