リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

手のひら先生の高麗手指鍼講座の覚悟

もう30年以上前になるでしょうか、アルベール・カミュ「異邦人」の映画を見ました。冒頭「今日ママが死んだ」と言うセリフが出てきます。

翻訳なら「今日母が死んだ」だろうと思ったものでした。でもそれが突然30年後私にも来るとは、思いもかけませんでした。

ほんの1か月前まではだれの目に見ても元気だったのが、突然訪れた「死」。それも死に目にも会えないほど突然襲って来ました。

最愛と言うような言葉では言い表せないほどの存在でしたので、私も生きる価値がもうないと考えました。

叔母が高齢にも係わらず、母の郷里から出てきてくれて声を掛けてくれました。「和正、お母さんはお前が頑張って難病治療に取り組んでいるのを、誇りに思っていたよ。毎回電話で自慢していた」と言ってくれました。

私はまだ母に何の恩返しもしていない思いがあったので、この言葉を糧にして後世にこの技術を伝えることが、母への親孝行になると思いなおしました。

昨年不注意にも脳出血を起こし、まだ痙性麻痺があります。それも自身で工夫しながら治療を行っているので、急ピッチで回復しております。おそらく春ごろにはめどが立ちそうです。それから衰えた体力を回復し、夏頃には講座開設を本気で企画しようと思っています。

すでに講座内容は考えており、それは手指鍼技術を教えることを超え、鍼灸師としての基本技術すべてを組み込もうと考えています。

数年前企画した時は3年、計30回程度の無いようでしたが、いかにも長期にわたるのではないかと考えなおしました。

それを2年、20回に圧縮しました。しかし内容は濃いのでこの時間内に収まるか、心配するところは多々あります。

今の鍼灸師を育てる制度、鍼灸学校制度をも含めてですが、もっとも肝心な「気の習得の問題」が抜け落ちて居ます。結局学校では時間的に足りないこと、卒業してもこれを習うところが中々見つからないこともあります。気を使い、気を知り、そして生徒に気を出させることが1人の先生で出来るか?と言うと、そのような方はいまだ知りません。敢えてそれに挑戦しようと考えています。

私の行っている高麗手指鍼は「手のひら先生」と冠を掛け、商標登録までしております。世界のだれも行っていない治療方法、理論内容になっています。

残り少なくなっている人生、これを後世に伝えることが母への孝行と覚悟しました。