リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

鍼灸師のお仕事 3

こんにちは、ホームページ「手のひら先生のリウマチ相談室」を運営している、手のひら先生こと長谷川和正です。「リウマチ相談室ブログ〜手のひら先生の独り言〜」として、高麗手指鍼治療にまつわるお話をいたします。また毎日の治療については「手のひら先生の治療日誌」を作成しておりますので、こちらもよろしくお願いいたします。
深谷伊三郎と言う昭和の名灸師がいらっしゃいました(昭和47年没)。今売り出し中の立川志らくと言う落語家のおじいちゃんです。とこれは余談です。深谷師が活躍されていた頃、まだ日本は貧しかったので医者にいけなかった庶民はお灸をすえてもらっていました。それもない人は、お灸のツボだけを教えてもらいに来ていたそうです。(灸点をおろすと表現します)庶民の生活の中に、東洋医学が根ざしていたのです。お助け医者の役目を果たしている時期もあったのです。
難病を治す鍼灸師。西洋医学で治せない病気を鍼で治すのもすばらしい物です。有名スポーツ選手を治して活躍させる、マスコミのスポットライトを浴びるのもすばらしいものです。鍼灸の効果を一般の人に知ってもらうのには大いに役立ちます。
病気を治すというのは鍼灸の大いなる役目ではありますが、寝たきりの病人を出張治療し、治さなくても軽くするのも大事なことです。友人の鍼灸師は出張を主に行なっているのですが、治療先は高齢者お二人で住む家庭です。往診に伺うとご主人は長年寝たきりで、体が衰弱しています。往診でその病気が治るはずもないのですが、治療が終わって帰るときに大変感謝されると、充実感を覚えるそうです。治療家の立場からも治療される立場からも、大変有意義なことと思います。
前回書きましたが、軽い疾患の肩こり腰の痛み疲れを治しながら、世間話や愚痴を親しくなった鍼灸師に聞いてもらう。これも十分意味ある治療行為であり、カウンセリング効果もあります。人生経験豊富な鍼灸師なら的確な助言も期待できるかもしれません。
現代社会では様々な形でストレスが過重に掛かる社会です。したがってこれに対するセーフティーネットと大げさなものではなくとも、鍼灸師がその一端を町の片隅でささやかにも担っていると思っています。その役目は果たしていたでしょうし、これからも果てせるはずです。
現在は国の医療制度のなかには組み込まれていないと言うより、組み込みたくないのでしょうが、やがては国民医療の中に位置づけられる時は、その役目をそれぞれがその立場で認識し役目を果たすべきでしょう。
保険診療が認められそうになった時不正請求が一気にばれて、それ以後まったく省みられることがなかったのです。