リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

お灸の話 1

こんにちは、ホームページ「手のひら先生のリウマチ相談室」を運営している、手のひら先生こと長谷川和正です。「手のひら先生のリウマチ相談室ブログ」として、高麗手指鍼治療にまつわるお話をいたします。また毎日の治療
については「手のひら先生の治療日誌」を作成しておりますので、こちらもよろしくお願いいたします。
今回はお灸について考えて見ましょう。日本に鍼灸が伝えられたのは、仏教伝来時であると書かれています。鍼が庶民の医療になったのは江戸時代です。それまでは高貴な方たちの医療で、庶民には無縁のものでした。もっとも室町時代の治療の中心は、鍼よりも灸が中心であったそうです。宮廷には鍼博士がいて、大学の講座制で知られている、ピラミッド型の勉学制度があったようです。
全国から頭のよさそうな子供を集め勉学させ、年齢を経るにしたがってその選別は激しさを増し、詳細は忘れてしまいましたが、週だか日だかごとに試験を行い成績の悪いものは直ちに放免されたそうです。東京大学医学部に入り教授になるより難しかったのではないでしょうか。
お灸はもっとも簡単で安価な免疫を強化する方法です。熱いのと灸痕が残ることが、現代人には嫌われる原因になっています。しかし忙しくまたグローバル社会に生きる現代人には、どこでも予防や治療ができる方法として見直されるべきと思います。その根拠は、肌を焼くことによって白血球が増えることにあります。今はお灸や鍼の効用を、現代医学的に解明するようなことはないようです。白血球や赤血球がお灸によってどうなるか、研究が盛んだったのは、大正から昭和初期だったと覚えています。鍼灸の科学化の元に血液との関係を研究されていたようです。その結果、赤血球は増えないが白血球は確実に増加しているというものでした。
鍼灸の科学化の言葉の元にウサギの毛をそって、硬く捻ったもぐさ(これを瀉の灸)軽く捻ったもぐさ(これを補の灸)を肌において火をつけ、どのくらい火傷になるかを計測したなんてのがありました。いまなら科学化の前に動物虐待といわれてしまいそうです。
中国で生まれたお灸ですが、かの国では肌を焼くお灸はいま行われていないようです。日本では専門のお灸の先生は少なくなっているようです。鍼を刺した後にその効果を持続させるために灸をするとか、焼くのではなく鍼の先にもぐさをつけてその輻射熱で肌を温める、塩やしょうがを切ってその上からもぐさに火をつける。線香の束状のもぐさを固めたものに火をつけ器具を使って温める温灸、せんねん灸に代表されるような温灸の形もあります。
専門家としては(エヘン!)温灸は難しい病気を治す力はないと思います。しかし日々の健康維持や病気予防、特に血行を促進すると言う意味では、「冷え」が取れて気持ちのいいものなのでもっと家庭の中で使われて良いと考えています。