その後のリウマチ生物製剤の副作用
先日患者さんが「先生伯母がリウマチで、数年前から生物製剤を使っているのですが、話に聞くほど良くなっていないそうですよ」と教えてくれました。
リウマチの特効薬みたいに思われたが、当初から様々な副作用を危惧されてきた生物製剤でした。
日本で使われ始めたと思ったらあっというまもなく、多くの病院それもリウマチ専門病院で使われ始めました。
その後の状況はどうなったのか?久しぶりにネットで検索をしてみました。
生物学的製剤による関節リウマチ治療と感染症対策 埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科 竹内勤 教授
http://radio848.rsjp.net/abbott/pdf/060908.pdf#search=%27%E7%94%9F%E7%89%A9%E8%A3%BD%E5%89%A4%E3%81%AE%E5%89%AF%E4%BD%9C%E7%94%A8%27
2006年の調査でやや古いのですが、インフリキシマブ5000症例中副作用は28%、そのうち重篤症例4.3%の報告がありました。エタネルセプトの副作用は30.9%、うち重篤症例6.2%報告されています。
強い免疫抑制作用があるので、当初から懸念されていた高齢者の免疫、特に呼吸器系の感染症が多いようです。
その後竹内教授がアレルギーリウマチシンポジウムでの動画配信されています。これは2007年の報告なので、調査症例もさらに集約された上での報告なので、これも参考になると思われます。
アレルギーリウマチシンポジウム
http://www.sympo.jp/070210/movie/part2/05.html
なかなか見ごたえのある内容になっています。
統計の内容に際してもよくお分かりになっているようで、慎重にそして過大評価の誤解を受けないよう、注意をされているのは好感がもてます。
リウマチ薬で症状の寛解率が上がっているようです。
リウマチはなかなか辛い病気なので、その症状が取れることは患者さんのQOLが上がることで、それは喜ばしいことです。
しかし現状は尚厳しいものがあり、講演にあるようにさらなる新薬を待たなければ、寛解率も上がらないと言う印象を受けました。
まだまだリウマチそのものの対症療法、根本治療はなおさら難しい状況にあると言えます。