患者よ あなたに透析は必要か 文芸春秋12月号
8月の週刊文春の特集の続きです。
文芸春秋社でははるか前にも、腎臓の人工透析が如何にうまみのある仕事か、特集が組まれたことがありました。
今月号は「尾崎豊の「遺書」」がセンセーショナルに取り上げられていますが、多くの国民にとってこちらの特集のほうが価値があります。
連続キャンペーン第一弾 「抗がん剤は効かない」以上のタブーに挑む とされているので、これ以降も期待が膨らみます。
当院にも人工透析をされている患者さんが来られています。
この夏に体力を落として腸閉塞も併発してしまいました。
顔の黒ずみは透析から来るもので、東洋医学で述べられている腎臓の黒の色を呈して来ています。
著者は椎貝達夫医師です。
「慢性腎不全保存療法」によって、通常行われている腎臓治療から人工透析までの経過を、極力遅らせるまたは進行をストップさせるというものです。
人工透析は1回4時間、週三回の苦行です。しかし一旦始めたらそれは患者にとって避けられない義務なのです。
前の週刊文春でもとりあげられていましたが、人工透析は医師にも病院にとっても「おいしい仕事、うまみのある仕事」なのです。
以前の週刊文春の記事では、透析を行わない大学病院にとっても、うまみのあることが書かれていました。
それは卒業生で透析を行っている病院を紹介することで、健康保険から紹介料や相手病院先からお礼がもらえる仕組みがあるからです。
患者は一旦始めたらやめることは出来ないし、ほとんど病院は移らないようです
病院にとっては一生の顧客上得意様です。
鍼灸学校に行くのに駅までいつも駆けていました。週3回は年下の同僚とジョギングです。
彼は隣町の病院に週3回透析に行っています。
近くの病院に代えたら楽なのにというと、彼は「やはり初めて行った病院が慣れていていいんです。」と答えました。
病院で慢性腎不全と言われ透析に進む患者は毎年三万七千人で、なくなる方は二万七千人一万人づつ増えているそうです。
椎貝医師の行っている「慢性腎不全保存療法」を行うと、三万七千人のうちの一万三千人は透析を受けないですむそうです。すばらしいじゃないですか。
なぜこれが広まらないかというと、やはり医者の経済論りがそこに存在すると言うことなのです。
日本の医療制度の欠陥がそこに洗い出されてくるのです。
こんなこといつまでも続けていると、TPPで日本の医療は崩壊すると問題視されているが、国民はだまされないぞと日本の医療システムを支持しなくなる。
いっそ外国の洗礼を受け、改めて日本独自の国民医療を考え直したほうが良いのかも知れない。