リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

落合監督解雇に伴う野球文化

 中日落合監督が今季限りで解雇されます。

つくづく野球とベースボールの違いについて考えさせられ、野球におけるマネージメントの貧弱さに呆れます。

私の関心はサッカーとメジャーリーグに移っているので、どうという問題ではないのですが。いつまで経ってもその後進性から脱却できないのではと危惧します。

観客動員数が減少している責任を監督に取らせるなど、アメリカでは考えられないでしょう。

球団のマネジメントと選手や試合のマネジメントとは離して考えるのが、メジャーリーグでありそれゆえ監督はマネージャーと呼ばれていると聞きます。

140試合を予測し選手の管理をし且つ育成し戦っていく、相当の技量がないと1年間戦っていけません。

私が知る限り1年を見据えて戦い実績を上げたのは、西武監督の広岡達郎、森祇晶、ヤクルトの野村克也さんです。

皆名監督と呼ばれています。

落合監督と他の監督の違いはどこに?

財界主幹の針生康雄さんがラジオで広岡監督をさして「礼儀を知らない」と怒っていたことが有りました。何があったか分かりませんが。

森さん野村さんにしても実績は素晴らしいのですが、選手から慕われているという感じはありません。

落合監督の素晴らしいところは、

(1)実力のある選手の能力を100パーセント引き出しているところでしょう。ある球団では顔が嫌いと言われて干された選手がいたそうです。選手は生活がかかっているので、好き嫌いで起用してもらえないなんて悲劇ですよね。

(2)選手の能力を100パーセント把握している。監督初年度に球団から補強の打診があったのに答えて、現有勢力で優勝できると断言したのには驚いた。つまりその選手の余力、まだ引き出されていない能力を見極めているのはすごい。銘伯楽と言えるのでしょう。

(3)選手が消耗しない。森繁和投手コーチ(現ヘッドコーチ)も手腕にもよるのだろうが、潰れた投手は居ないのでは?

(4)部外者から見れば言わせ投手の衰えが激しいので、もうストッパーを下ろしたらと思うのだが、チームの士気を考えて使い続けているのは忍耐力もさることながら見事だ。

(5)1年を通してのマネージメントは見事です。今年はヤクルトが優勝と誰もが思っていた時でも、彼は大丈夫と泰然自若していました。何を根拠にしていたのか未だに謎だ。でもそれがあるので選手が潰れない、消耗品になっていないのでしょう。

(6)マスコミを通してしかわからないが、他の名監督が何らかの不平不満が聞かれるが、それが伝わってこない。選手から人望を集めているからでは?

(7)格別高い年棒の選手を集めている訳ではなく、能力だけで選手を見極めて使っている。弱点を見極めて補強している。球団運営から見ればこれは理想的なコストパフォーマンスを実現しているわけです。メジャーリーグではアステティックスのGMが評価されているけれど、いわばそれまで彼がになっているということになる。私が経営者なら一生監督を任せるね。

(8)最近ほとんどの球団に私の知らない選手が大勢います。某球団も新人選手が次々出て来ています。それも育成選手から。どう見ても5年先10年先の屋台骨を支えるようには見えません。つまりドラフトで入団選手の能力を見誤っているか、育て方が良くないからなんでしょう。中日は堂上兄弟や最近は平田良介選手など、中日の将来を担える選手が育って来ている。

選手でも一流監督でも一流と言うのはとても貴重な存在です。それも完成された素人では伺いしれないレベルで野球を行なっている落合監督の頭の中を機会があるなら覗いてみたいね。

きっとあらゆる物を削ぎ落としているので、頭の中はシンプルなんだろうな。