鍼灸師・会計士・社会保険労務士などの収入
ほんの4,5年前のネットで鍼灸師の質問は、どうしたら鍼灸師になれますか?が主流でした。
それが3年前位からでしょうか、収入はどのくらいでしょうかに変わってきました。
それは鍼灸専門学校が飛躍的に多くなったので、資格取得者が増えたことと無関係ではないでしょう。
私が受験した20年ほど前は入学倍率17倍でした。その前には20倍を超えたこともあるのです。
ところが学校制度が変わり、いわゆるビッグバンの一貫でマッサージを除いて、鍼灸専科のみ規制緩和がはかられたのです。
そのため選ばなければ鍼灸学校には入学自由になったのです。
しかし鍼灸師は治す技術習得には卒業後10年は必要です。それも良き師を見つけての話ですが。
良き師を見つけて開業しても、3年ほどはやっと食べられるかどうかというのが鍼灸の世界です。
そのため先達はまずマッサージや按摩を仕事の中心において、その間に鍼修行を重ねることをしていたのです。
しかしその肝心のマッサージ資格を得られる本科は増えなかったのです。
日本では指圧とか整体とか、強刺激や圧迫することが多いので事故も多いと聞くので、資格は必要かも知れません。
ヨーロッパではそのような刺激はあまりないので、事故もないからでしょうか資格はないようです。
私の治療室にも知らないで鍼灸専科に入学した後輩が来たことがあります。
入学して先輩からこのような事情を教えてもらい、1年生で早くも暗澹たる未来に悲観していました。
案外この世界は身近に事情を知る人がいないので、あこがれだけで入ってくることが多いようです。
ですから昔から資格をとっても開業はクラスで1人と言われた来ました。今は100人に1人ぐらいなんでしょうね。
資格を取れば未来が開ける。そんな時代は今では殆どないのではないでしょうか。
その世界の総売り上げの80パーセントは、20パーセントの企業や個人が占めると言うのが言われていることです。
今はもっと厳しいのではないでしょうか。全体のパイが小さくなっていいるので、手元の収益も小さくなると言うことです。
ゼロサム社会が言われて久しいですが、グローバル社会ではもっともっと厳しい波が押し寄せていることなのでしょうか。
力及ばずというか入学してみて自分に合っていなかったその頃は花形だった、公認会計士も今は資格をとっても就職が厳しいようです。
もっともそれは昔から言われていることで、監査業務を必要とする上場企業は少ないわけで、監査法人も限られているので資格を取るまでの努力のわりに報われないようです。
バブルが弾けてサラリーマンが自己防衛のため、資格取得を取り始めたことがあります。
なぜそうなったのか分かりませんが、社会保険労務士が一番人気だったようです。
この世界も市場はほぼ決まっているようなので、独立開業しても収入は20万円足らずとも聞いたことがあります。
私の先輩で良き相談者になっていただいている、都の児童相談をされていた伊藤正博氏のところには、開業したけれど苦しまれている社労士の方が相談にこられていました。
昔は花形だった弁護士も厳しい現状になっているようですね。
弁護士の収入
http://note7.com/bengoshi/
なら以前書いた「刃物研ぎ」の方がむしろ努力に比べ収入は勝っているかも知れません。
医師はどうなのか?
友人が話してくれたのは、お父さんの病院をついだ所に嫁いだが、父親が亡くなったら息子はとっとと病院をたたんで、勤務医になったそうです。
病院の運営がそれだけ難しくなっているのでしょう。
医師もバラつきはあるのでしょうが、必ずしもあこがれの職業では無くなったのでしょうか。最も収入面から見たことですが。
10年ほど前に公立病院の勤務医は、40才台で700〜800万円台の所得で、一般サラリーマンより300万円ほど多いと読んだことがあります。
鍼灸学校では開業医は月収250万、年間所得3000万円と聞きました。
個人にも寄るでしょうが、海外文献を調べたり努力の割に医師の収入は恵まれなくなっているようです。
最もヨーロッパ東欧圏では、医師が社会的に優遇はされていないと聞きました。日本が今まで良すぎたのでしょうか?
これからは「師」と言う職業はまだまだ嵐の波に曝されるでしょう。
意外といいと聞いたのが「弁理士」です。
理科系でないと基本的に受験資格がありません。最も法律関係は資格があります。
しかし特許請願のときやはり専門知識は必要なので、門外漢ではありますが特許取得者として思うには専門知識は必須と思います。
法科以外の文科系では無理だと思うので、自動的に同世代の半分は脱落してしまいます。
試験が難しいので昔は合格率2%でした。弁護士も昔はそのくらいでしたよね。
今は13パーセントぐらいになっているようです。
資格ガイド
http://www.tuutenkaku.com/naiyou.houritu/benrisi.html
しかし経験から特許に使う言い回し、権利範囲をどこまで設定するかは独特のものがあります。
将来合格率を上げるようですが、弁護士が合格率を上げて失敗しているので慎重にならざるを得ないでしょうね。
数年前聞いた話ですが、資格は取れなくても特許業務に精通してくると、50代で1000万の収入があるようです。
所長は5000万円ぐらい、これから判断すると勤務しても2000万ぐらいは稼げるのかも知れません。
これはおすすめ資格ですが、わが高校の友人もチャレンジしたけれど夢は敗れたので、半端な努力では取得できないでしょう。
今は資格をとったのち如何に他者より秀でるか、競争に勝ち残る努力が必要な社会になっているということなのでしょう。