リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

映画「おくりびと」を見て

こんにちは、ホームページ「手のひら先生のリウマチ相談室」を運営している、手のひら先生こと長谷川和正です。「リウマチ相談室ブログ〜手のひら先生の独り言〜」として、高麗手指鍼治療にまつわるお話をいたします。また毎日の治療については「手のひら先生の治療日誌」を作成しておりますので、こちらもよろしくお願いいたします。

おくりびと」を見てきました。是非見たいという強い気持ちが湧いたので、時間を都合して昨日見ました。やがては私にも来る「死」を意識したからではありません。

納棺師と言う職業が生まれていたのは知りませんでした。鍼灸師になる前、私はケースワーカーを4年ほどしていましたので、この間何人かの方の「死」に立ち会ってもいました。

 冠婚葬祭と言われますが、葬の職業は蔑まれます。この映画の中にもそれは描かれています。以前住んでいたところは、市内でも東に位置していて、墓地と寺と火葬場がまじかにありました。火葬場の人たちも、やはりなんとなく暮らしにくいようでしたし、こちらも構えていた記憶があります。

 伊丹十三監督の「お葬式」では、火葬場のお釜の場面が衝撃的で印象的でしたね。

しかし納棺師について、この映画で改めて人に対する愛情がないと出来ないなと感じました。山崎努と言う役者はいつもワンパターンで好きではなかったのですが、ここでは実に死者に対する愛情があふれていて、好演と表現するのでしょうか、それともうまいといった方が良いのでしょうか。引き込まれるようで、涙が出ましたね。年のせいもあるかも知れませんが、久々に良い映画に出会ったことでした。

しかしストレスのたまりそうな職業ではあるかも知れません。ケースワーカー時代に聞いた話では、葬儀社の職員はストレスでつい深酒になってしまうそうです。 鍼灸師もほんの少し前まで、今はどうなのでしょうか、同じような良い職業とは思われなかったものです。

 何はともあれ、仕事にほれて愛情をもってすると、それは美しくなるものだ。そう感じたひと時でした。