リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

鍼灸学校に入学する 6

こんにちは、ホームページ「手のひら先生のリウマチ相談室」を運営している、手のひら先生こと長谷川和正です。「リウマチ相談室ブログ〜手のひら先生の独り言〜」として、高麗手指鍼治療にまつわるお話をいたします。また毎日の治療については「手のひら先生の治療日誌」を作成しておりますので、こちらもよろしくお願いいたします。
私が入学したクラスは夜間でしたから、年令も高くはっきり目的意識を持った生徒でした。
一人の先生が「君たちは年令も行っているので、就職も出来ないので、卒業後はすぐ開業しなさい」と仰っていました。他の先生は仕事をやめちゃ駄目と仰っていましたが。
 でも開業するにはそれなりの技術を3年件に習得しなければならない。少々あせる気持ちがありました。先生方に何か良いセミナーはないかと質問すると、必ず「学校の授業を受けていれば十分だから」と言う回答がありました。
 入学してから分かったのですが、東洋鍼灸専門学校の創設者、柳谷素霊は昭和までの鍼灸界を引っ張って来た人でした。ですからその先生の元で勉強した先生方は、授業即ち最先端のことを学んでいたのでした。ですからこのような答えが返ってきたのだと思います。
 しかしことある毎に聞くのは「昔の東洋鍼灸の卒業生は、卒業と同時に使えたが今は駄目だ」と言うものでした。そこで私はなるべくその学年までで理解できるような、単発のセミナーなどを選んで参加することから始めました。また按摩のテストで井上良太先生に「君は何を目的にして按摩をやっているのか分からない」といわれ、按摩の実践を行なっている先生に直接習おうと決めました。伝をたどって専門家に休みの間に習うことを決めました。10人ほどの親しい生徒に会費を集め、公会堂の一室を借りて夜の2時間ほど実践トレーニングでした。これはかなり良い経験でした。お金をもらって仕事をするというのは、どのような結果を出さなければならないかと言うのを学びました。
 2年生になってあるセミナーに1年間参加しました。これは入ったときから失敗だったと悟りました。月1回の参加でしたが、参加自体が苦痛ではありました。しかしこのような失敗を早くすることが、つぎのセミナー選びには慎重になりこれも反面教師になりました。
また、どんなセミナーでも最低でも、ひとつは役に立つことは学ぶものです。私は参加したらなるべく多くの機会を設け参加者と話をして、何でも良いのでこの世界を知るための情報収集をしました。
 2年生の終わりごろに、山下詢先生のセミナーに幸運にも参加させていただきました。このセミナーは結果3年行きました。先生には治療もしていただきました。2年生の途中から先生の著書「脈診入門」を読んでも、感覚的に分からないことが多くありました。3年になると脈診の授業が始まります。先生に「10人ほどで小セミナーのように、脈診を教えていただけないでしょうか」と申し出ると、快諾していただけました。このセミナーは3年間を通して大変役に立った経験です。
 1年生から様々なところに参加し、自分なりに考えた方法で先に進むのが良いと思います。
例えば昨年であった鍼灸師の方は、ある高名な鍼灸師の方弟子入りは無理と考えて、その先生の治療を3年間受け続けたそうです。先生が3年経ったある日「もう君は治療に来なくてよい。開業しなさい。」開業の場所まで指定してくれたそうです。私はその鍼灸師を間じかに見たことはないのですが、大きな組織を作られていた方で、相当な気のパワーを持った方と存じています。彼はその団体に参加していたようですが、そこでは先生の真髄を汲み取れないと考え、上記のような方法を考えたのでしょう。確かに彼の治療は他が追随できるものではなく、それこそ気の治療といえるものです。
 人それぞれアイデアを持って学びを考えると、またそこに独自の道が見えるかも知れません。