リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

鍼灸師の選び方1

今日はホームページ「手のひら先生のリウマチ相談室」を運営している、手のひら先生こと長谷川和正です。「リウマチ相談室ブログ」として、高麗手指鍼治療にまつわるお話をいたします。
私のところには様々な質問が寄せられます。その中で遠方なのでいけない。鍼灸をやりたいがどのように探せばよいか分からない。このような質問が時々あります。
本当の所鍼灸は同じ技術でも、個人個人異なる気をもって治療しているので、同じ効果を期待することは出来ないのです。そんなことを言っても仕方ないので、いつも次のような手順をお教えしています。
薬のようにポーンと口に放り込めば、一定の効果を期待できる治療分野ではありません。鍼と言っても、まず患者さんがどのようなものを期待するかによっても、選択肢は多岐に渡ります。リラックスするために私のようなところで、痛い鍼を打つことは苦痛以外の何物でもありません。またリラックスや腰痛肩こり専門のところに、リウマチや糖尿病はてはがん治療を求めるのは酷です。
でもちょっと探して見てください。タウンページなどはどうですか。「あん摩マッサージ指圧」「あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう」「はり・きゅう(鍼・灸)」これだけ分かれています。探すのに迷ってしまいます。
まずどのような世界でも王道と言うものはあります。鍼灸学校の生徒が、どのように鍼灸理論を学んでいくかお話いたしましょう。
まずツボを習います。名前を覚えます。「経穴経」と言ってお経のように覚えていくやり方もあります。気の流れ経絡上のツボの名前を覚えるのです。そして次につぼの効果、どのようなものに効くかを覚えます。その前にツボの位置も覚えます。近年はそのツボの周りに、どのような筋肉や神経が集まっているのかも、試験のために記憶しなくてはならなくなったようです。
初心者は痛いところに刺します。私の友人が昔こう話しました。「お前よう、大工が腰が痛くなったときに、近くにあった釘をトンカチでたたいてそれを腰にうったら治った。そんなものだぜ。」確かにそのレベルでも痛みが軽減することはあります。鍼灸には便利な言葉があり、そのようなものを阿是穴と呼びます。痛ければそれもつぼに変わるのです。初心者のレベルです。
ちょっと高いレベルになると、痛いところには触らないで、その痛みを患部から離れたところのツボを探します。主に同じ経絡上のツボを探すのです。
さらに上のレベル、それが経絡治療になるのです。これは柳谷素霊師が中心になって、鍼灸理論を構築しようとした、象徴的な言葉として今も残っているのです。理論としての完成はならなかった。これは一般認知されています。しかし気の乱れを調整し、体の芯から直していくと言う考え方は今でも有効です。一時鍼灸の科学化とか近代化とも言われて、一大ムーブメントを興ました。
肘から先、膝から先に五行穴と呼ばれる重要なつぼがあります。脈を診てどの気が弱っているか強くなりすぎているかを調べます。そして「証」と言うものを立てて即治療に入ります。そうして気の調整をしてから、痛みがあるところやこりがあるところを緩ませたりします。単に痛いところを刺しただけでは、原因を除去したわけではないので、しばらくすると戻ってしますのです。また完治は望めなくなるというわけです。
鍼灸だけで食べていくのは大変だ」柳谷素霊師最後の弟子と言われていた先生がこうおっしゃっていました。ですからあなたが鍼の治療を望むなら、鍼だけで食べてきた先生をまず探しましょう。あらゆる意味で大変な世界で生き残ってきたわけで、ある程度技術を期待できると推測できます。

「手のひら先生のリウマチ相談室」http://www.d2.dion.ne.jp/~kouraiha/