リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

韓国の手指鍼事情

数年前韓国人留学生が治療を受けに見えました。肝機能が悪くなって、西洋医学では治らないので、韓国で高麗手指鍼の一日講座を受けたそうです。私のところへメールで「肝臓に効くツボを教えてくれ」と聞いて来たので、素人が出来るほど簡単な鍼をうちではやっていない。そんな効くツボが有ったら教えてほしい。あわてて謝って来ました。韓国でも鍼に対する若者の知識はこの程度と理解しました。
彼の紹介で我が母校に留学した韓国人を、通訳として紹介してもらいました。ソウルに行って、彼に高麗手指鍼と言っても通じませんでした。彼みたいに30台ぐらいまでは、健康に関心が向く年代ではないので、知らないのは当然です。これが40歳代以上になると、会長が良くテレビに出演されているので知られているようです。
私が始めて高麗手指鍼学会を訪問したのは、かれこれ7、8年前にもなるでしょうか。韓国では韓日学術大会を2年おきぐらいに行っていますが、大会には5千名からその数年前には1万人も押しかけたと聞かされました。私も論文発表を依頼され招かれたのが、過去3回ありますが、そのたびに駆けつけた会員の多さにはびっくりさせられました。ロッテホテルで行われたのですが、3年前は予定人数をはるかに超え、立ち見どころか演題の前まで押し寄せて、体育すわりの方がおびただしいほどでした。5千名の予定をはるかにオーバーしていたと後で聞きました。盛大に行われ、テレビ局のクルーも毎回取材に来ます。KBSだったと思いますが。
この時のテーマが「糖尿病」でこの病気を高麗手指鍼で完治させた、立ったひとつの症例発表だったので、柳泰佑会長からは大変な評価をしていただきました。イギリス、オーストラリア、カナダ、アメリカの欧米や、日本からと世界的な広がりをみせ、この治療がグローバル化されつつある姿を、大会では目の当たりにすることが出来ました。
通訳を頼んだ彼と、市内見学をしました。ソウルに一度でも行かれた方は、街角や通りごとに同業者がひしめいているのを見たことがありませんか?日本では秋葉原や馬喰町などの問屋街のミニチュア版の風情でしょうか。でも豚足屋街があるというのには驚きましたが。彼には韓国版秋葉原に連れて行ってもらいました。町自体は秋葉原に比べれば、はるかに小さいです。興味があったのは、彼の会社が使っているコンピューターは彼の社員が一人で自作していました。ビルの地下に行くと、ガラス張りのパーテーションで多くのブースに分かれていました。そのブースの中にはまた何社かが借りていて、その一角を彼がまた借りていたのです。若い社員が一人いました。日本に大変興味を持っているそうです。勉強中だとかでまだ日本語はうまくありませんでしたが、今頃は上手になっているでしょうか?私の韓国語はまったく上達していません。
彼の会社は韓国人を日本の大学に留学させる手伝いを、日本人を韓国留学させるサイトを運営しています。興味のある方は次のアドレスをご覧ください。
URL: http://www.globalace.co.kr または http://www.japanclub.info
彼は明治大学の後輩になるわけですが、彼らが大学を卒業し就職する場合、日本語を話せれば大変有利だったそうです。しかし卒業する頃経済情勢の変化があり、日本語だけでは就職が有利ではなくなくなっていました。韓国では兵役があり、卒業時には23歳です。日本に来て語学学校へ2年通い、それから大学4年で卒業です。卒業時には29歳、韓国ではその年になるとやはり就職口は限られて、仕方なく留学経験を生かしこの仕事を始めたそうです。私が大学卒業したときの25年前、2浪したら東大を卒業しても、一流会社には就職できないと言われたのを思い出していました。
韓国では今大学卒業生で、どこでも就職できる生徒は、6ヶ国語ぐらい話せるらしいです。
彼も高麗手指鍼は知りませんでした。でもこのような効果があると説明したら、郷里にいるお父さんに身体に良いものを町で買っていました。聞いていた通り儒教の国と実感しました。
年齢の高い層だけに支持されるだけでなく、韓国で生まれたワールドクラスの治療方法なのですから、もっと韓国国内で支持されてしかるべきと思います。そのためにはどの世代でも生じる、リウマチ糖尿病、癌が高麗手指鍼で治せるように、研究が進むことが必要と考えます。糖尿病がこの鍼で完治することは、前回発表いたしました。リウマチは以前完治したと発表したのですが、新参者だったので注目されませんでした。来年はさらに実績を重ねたので、この難治性やまいも高麗手指鍼が効果あることを発表し、韓国でも認知されたいです。また癌も今着々と良い経過の症例が出来ていますので、これも何年か先にはほとんどの病気をカバーできるのではないか、そういえるようにがんばっています。