新参者・劇場版・麒麟の翼 東野圭吾原作
昨年テレビドラマ新参者を見てファンになり、劇場版を見てきました。
加賀恭一郎が毎週少しづつ謎解きをする過程と、2時間で事件を解決するのとどちらが見ごたえあるか、それも一つの楽しみでした。
今回は主演阿部寛の演技を注目してみました。
数年前患者さんとなぜか阿部寛が話題に登り「彼は業界ではホモ疑惑があるんですよ」という話になりました。
ドラマはこの20年近く見ていませんでした。
時々「トリック」などで見かけたけれど、そう注目したことはありませんでした。
経歴を見ると元モデルでした。
しばらくすると結婚したと発表がありました。
その頃彼の主演映画が立て続けに上映されていました。
モデルなどから俳優になりしばらくすると演技に行詰る例が多い。また二枚目俳優だとどうしても出演作が絞られてしまう。
おそらくそんなことで将来が見えてくるまで結婚が遅らせたんだと思いました。
そんな時テレビの新参者をみて、この刑事加賀恭一郎は当り役だな!と思いました。
そこで映画ではどんな演技をする俳優なのかと、彼の目の演技、顔の表情の演技を中心に注目しました。
日本では有名俳優でも顔の演技ができないものがいる。
能楽では能面をつけて演技をするのだが、心の動きが伝わってくるといいます。
NHK番組で能楽師の脳の働きをMRIで分析したことがありました。
すると動きはほとんどないのに、悲しみの場面では激しく脳細胞は活発に動いていました。
我々の言う「気」がそのことによって、観客に伝わるのだと理解しました。
加賀恭一郎の心の動きにつれ、表情筋がかなり変化しているのに感心しました。緊張したり緩んだり。
それと共に目の演技も注目しました。目は心の眼と言われるとおり、心の動きを表します。
作品は普通でしたが彼の演技には二重丸をつけました。欲をいえば瞬きは計算していたのかなと言うことでしょうか。
中井貴一が麒麟の像の前で死ぬ。その謎が強調されていましたが、謎が解けるとそのインパクトはそれほどではありませんでした。
昨年DVDでみた湊かなえ「告白」の方が、謎解きのインパクトは強かった。
本を買って読むか映画を先に見るか。
今回は映画を先に見ることにしました。阿部寛のテレビでのインパクトが強かったからです。
阿部寛のなかに今ひとつ暴力的な力が潜んでいると、もっと刑事らしくなるしミステリーからハードボイルドにも幅が広がってくるかな。
そんな感じがありました。
彼はいま円熟に脚を踏み入れている、そんな風に見えこれからが楽しみです。
東野圭吾作品は「容疑者Xの献身」の映画を見ただけで、著書を読んだことがありませんでした。
これからは少し作品を読んでみようという気になりました。
日本映画では久しぶりに楽しめました。お勧めです!