リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

鬱金・ウコン

世の中には広く身体に効く食べ物が紹介されています。糖尿病に良い、リウマチに良いなど枚挙に暇がないくらいです。しかしどのような食べ物でも、毎日食べていればアレルギーを起こす可能性が皆無とはいえません。お米はその中でもまれに、可能性が少ないと言われているのです。
鍼灸学校に通う前、それまでひどいアレルギー症状で苦しんでいて、家に帰ってくればごろりと寝ころび、食時と風呂以外は寝るまで立ち上がることはなかったのです。そのような状況だったので、夜間の鍼灸学校へ通えるかとても心配でした。勉強するのも20年ぶりぐらいで、記憶の方もおぼつかないと考えました。そこで考えたのが記憶法、スピードラーニング、そして「一日一本」でした。前二者はすぐ挫折しました。記憶するには記憶するきっかけとなるものを記憶しなければならなかったからです。それは難しいものです。スピードラーニングは記憶するために、テープに記憶したいものを録音する煩わしさがあり、暇がないのでこれは無理でした。またバックに入れるモーツアルトの音楽を聞いていると寝てしまうのが難点でした。
一日一本を飲んでそれなりに頑張って通いました。でも無理があったんですね。夏休み前に首が回らなくなってしまいました。適当に休めば良かったのでしょうけれど、我々団塊の最後の世代は、学校を適当に休む習慣が無かったのでしょうか、最後の元気の一滴を使い果たすまで、頑張ってしまった結果でした。どうしようもなくなって鍼に行きました。
その後仲良くなった同級生に聞いた話です。「前に薬局や医者に薬を届けるプロパーをやっていたのだけれど、僕たちは健康ドリンクの類はまったく飲まない。中身はカフェインと砂糖水だ。それだけだと売れないので、マムシや鹿の角などを入れるのだけど、これが返って悪く、ホルモンバランスをくずすのさ。だから僕たちは絶対飲まない。」
エーッ!びっくりしたなーもー。そうだったんだー。
何事も裏はあるもので、坐骨神経痛の患者さんが治り始めたときに、このようなことを話しました。「私ボランティアをしてるんですが、そこにお医者さんが来ているんです。そこで聞いたんです。お医者さんは風邪薬飲まないのですか?」答えに言葉が無かったそうです。「あんな危ないもの飲めないよ」風邪薬は危険です。多用すると間質性肺炎の危険性が増すそうです。難病です。3年ほど前に時の厚生省がテレビCMを流しました。なぜか?それは薬に入っているエフェドリンが、大量に飲むと気持ちが良くなって、いわゆるドラッグの効果が得られるそうです。それが高校生の間に広まっているそうです。このためCMを流したのです。こんなことを話すと患者さんが「そういえば弟は子供が風邪を引いていると、早く寝なさいとしかいっていないな」どそうです。
薬屋さんは薬を飲まない。お医者さんも薬は飲まない。危険性を知っているから。緊急時には必要でも、たえられる我慢できる範囲なら、そうするべきでしょう。
例えば痛みに対しては薬は利かない。または限界があるとして、イギリスではホームドクターの6割以上は鍼を使うそうです。日本で一番売り上げているのが、消炎鎮痛剤だそうです。ある程度までは鎮痛効果が望めるが、それ以上閾値と言いますが、それを超えたら効果はまったくありません。それよりも使うことで血流が悪くなり、次に訪れる痛みは前回よりも強くなってしまうのです。
国民が痛みに対して耐性が無くなってきていること。また日本人は薬に頼るように訓練されてきた歴史もあります。「良薬口に苦し」これはかのエレキテルで有名な平賀源内が知り合いの薬屋に頼まれて作った、今で言うキャッチコピーだったそうです。
帯津三恵病院の帯津良一医師が中国に行ったとき風邪を引いた。その時薬は飲まないようにしていたのですが、中国人医師に「帯津さん、薬を飲んだ方が早く治りますよ」と言われて、飲んだら早く治ったとのことです。TPOにあわせて的確に使えば、自分にとって快適な人生が送れるということです。ただ闇雲に盲信していると、取り返しのつかないことになりがちだと言うことです。