リウマチ相談室のブログ~手のひら先生の独り言~

手のひら先生が鍼治療を通して思う、つれづれなるよしなしごとをお話します

進行性核上麻痺

 日本では10万人に5.8人発症率と言われ、1億人だと5800人の方がこの病気に罹っていると推計されます。

パーキンソンにしろ神経難病とされるものの多くは、現代医学では対策が無いのが実情です。

そこで東洋医学と考える方がいるかもしれませんが、そうは問屋が卸しません。

東洋医学が脚光を浴びたのは、ニクソンが米中国交回復時に記者がニュース配信した、針刺麻酔による無痛分娩でした。

それ以後鍼がニュースに上ることはほとんどありません。

一時アメリカではがん患者数が急増し、がん克服が至上命題となった時、ヨーロッパのハーブ、中国の漢方薬と鍼、インデアンの薬、アマゾンの樹木などの薬効成分が無いかなど、
大規模な探索が行われたことがあります。

もちろん保険制度に乗って、腰痛肩こりで荒稼ぎに腐心している日本の鍼は蚊帳の外でした。よく知られていることですが。

結局東洋医学には光明を見出せなかったわけです。

がんに関しては有効性が無かったということでした。

ではそれ以外の疾患に対し鍼が有効性あるかという問いに対し、いまだ「あり」という答えは無いに等しい状況です。

ひとつは鍼の有効性を引き出すには、ひとつの技術だけでは足りないということが言える。

わが師金成万師も高麗手指鍼に伝統的な鍼を併用されていました。また師は「私ががんを治せるのは一本一本気を込めて打つからだ」とおっしゃっていたように、傍からは分からないであろう「気」または「気功」の力を使って治療を行っていました。

ヨーロッパやアメリカでいわゆる医療ジャーナリストなる「とおしろ」素人とも書きますが、鍼一本漢方薬1服も処方したことが無いものが、それも程度の低い治療をみて、東洋医学は聞かないと断定する胸糞悪い文章を見かけます。

幼稚園程度のレベルをみて、それこそ群盲象をなぜるのごとき判断をする愚かさに、思わず笑うのではなく外人はやっぱ馬鹿だなと思う次第。

耳鍼の発明者フランス人、ポール・ノジェ博士のご本にこのようなことが書かれています。

『ところでお国ではどのように耳鍼の評価がなされているのでしょうか』博士答えて曰く『まったく評価されていません。しかし先日医師会の会長から、親戚の者が病気なのだが一つ診てやってはくれないか』と電話があったことを書かれています。

しかるべきものがしかるべき処方をすれば、鍼灸はそれなりの効果をもたらすものなのです。

いまだその解決は十年一日のごとく、個人の努力と達人の慈悲によってしか達成できていないのが現実です。

平たく言えば「治せる師を見つけて、弟子入りする」事が治せる鍼灸師への早道なのです。

そして師を超えられるか否かは、それ以降の個人の努力に負うのです。

最高の料理人それは和食の職人です。明治大正昭和を通して和食の料理人が最高の評価を受けていました。すし職人は下の下だったそうです。

いまはすし職人の人気があってマスコミにも取り上げられ、花形職業のようになっているようですが、一昔前はそう評価されていました。

すし職人も一人前になるには10年は掛かるでしょう。

和食職人は、煮方10年、焼方10年 を勤めた上さらに10年ほど掛かって、晴れて一方の料理人として認められたそうです。

これは「神田鶴八鮨話」で知ったことです。

職人はどんな職業でも一人前になるには10年は掛かるものです。

そして技術が完成するにはそれなりの師匠と年月と工夫が必要なものです。

素人が外から批判出来るようなものではないのです。

レベルの低いものがたとえ百人千人頭をそろえても、解けない問題は永遠に解けないのです。

そうだ今回は「神経難病」のことについて書いているんでした。ちょっと胸糞悪い本を読んだので、興奮をしてしまいました。

パーキンソンもそうですが、発症の原因は分かっていません。

医学書を読んでもパーキンソン病の脳にはレビー小体とか言うものが出て云々と書かれていても、なぜそれが出現したかはなぞのままです。

整体やカイロプラクティックでは、背骨のゆがみが病気の元だとしていたが、それでは説明もつかなかったり治せないので、本を開くと経絡図が載っていたりするので驚きます。

東洋医学では「気の乱れ」が病気を引き起こすとされています。この12経脈の気の乱れを整えることで、病気は自らの治癒力が働くのである。

私はこの経脈や気脈と呼ばれるものは、人間が生きていくために脳をコントロールする信号と捕らえていました。

脳がトータルで働いている、有機的なメカニズムで働いていることは、いまだ解明されていません。

脳は体をコントロールしていますが、その脳を正常に働かせているのは、この「気」の流れと考えています。

現に脳研究書には、網様体から電気信号がでて脳を一巡りしていることが記載されています。

それはまた気脈の浅い深いという表現にも合致するところがあります。

このことは最近聴いて治療をしてもらっている、「音で病気を治すCD」からも重ねてこのことが理解されるのです。

もっとも世界で誰もやった事が無い方法なので、いまもこれからも理解できないことでしょうが。

進行性核上麻痺治療には、ニードルキーパーを使った高麗手指鍼、ノジェ式の耳鍼、山元式頭針療法を併用し、家庭でCDを聞くことで症状が改善し始めました。

このことをどう理解するかというと、経脈気脈の気を整えることで脳の機能が働き始め、血流を改善し始める事で症状が改善したと理解できるのです。

この項次回に続く。